まず、電話をかけてみたのは、
祖父の火葬をした、葬儀場と火葬場が併設されている会館。
「急に、祖父の遺骨の行方が気になった。」
と問い合わせたら、火葬の後の遺骨の行方を話してくれた。
といっても「残骨は、外注の企業が適切に処理をしています。」というレベルの、
差し障りのない内容だけれども。
工場長:「畑や山に埋められたりするんですかねぇ。」
職員 :「いや、しっかりとお寺で供養されているはずです。」
工場長:「どこで、どのように供養されるんですか?」
職員 :「それは…外注さんに聞いてもらわないと。」
工場長:「何という企業ですか?」
職員 :「少し、お待ちください。たしか、昨日チラシを持ってきてたなぁ。」
(…しばし待つ…)
職員 :「N社という業者さんだねぇ。
石川県のS寺で、残骨灰はまとめて供養されているらしいよ。」
工場長:「S寺ですか。」
S寺の漢字の書き方を説明されながら、
私は、残った遺骨を残骨灰って言うんだな…と思った。
残骨灰か。初耳である。
残骨灰をネットで調べると、【残骨灰処理】という言葉も見つかった。
この段階で、社長への返答は、
「残ったお骨や灰の処理は、残骨灰処理って言うらしいですよ。」
でバッチリだ。
一方で、興味も湧いてきた。
N社へ電話して、その「処理」の内容を聞いてみたくなった。
早速電話をかけてみる。しかし、出ない。
仕方がないので、S寺に電話をしてみる。
すると、60才くらいの声のおじちゃんが電話に出た。
寺職員:「あぁ、置いていっていますねぇ。」
工場長:「納骨堂みたいな場所があるんですかねぇ。」
寺職員:「いやぁ、建物も先方さんが建てたんで、よく分からないんですわ。」
工場長:「境内にあるんですか?」
寺職員:「ええ、それはそうですけど…。
うちは、場所を提供しているだけで、特に知らないんですわ。」
知らないんだ…。管理が甘いなぁ。
まあ、N社が主導権を握って、
残骨灰処理を仕切っているということは、想像に難くない。
どんな会社なのか、気になるところ。
これも何かの縁と思い、残骨灰処理業界の内情が気になった私は、
インターネットで検索に上位に引っかかった会社に電話をしてみた。
工場長:「残骨灰処理に関して調べているんですけれども、
インターネットでホームページ見まして。
一番詳しく書かれているようだったので、電話してみました。」
会社員:「ははは。まだまだ完成してないんですけどねぇ。」
工場長:「残骨灰処理って、どんなことするんですか?」
会社員:「まずは、分別機にかけるんですわ。
それで、【灰】【骨】【金属】に分けるんです。
その中の【骨】を選別して、さらに綺麗に洗浄します。
その後は、契約しているお寺さんに供養してもらいます。」
工場長:「そのお寺さん、もしかしてS寺ですか?」
会社員:「…いや、近所のお寺ですけれども。」
工場長:「そのお寺、骨でいっぱいに成りませんかね。」
会社員:「そうなんですよ。だから今、大きな供養所というか、作ってるんですよ。」
工場長:「N社さんは、S寺にお願いしてもらっているようですが、
そこも7,8年で一杯になるようですよ。」
会社員:「ああ、N社さんですか。」
工場長:「ご存知なんですか?」
会社員:「この業界では有名ですよ。
西のN社、東のT社ってよう言われてますけどねぇ。」
工場長:「へぇ~。」
会社員:「まあ、どこにでもあるように連合というか、
組合みたいなものはありましてねぇ。
うちの会社は、シガラミが嫌なんで、独立してやってますけど。」
工場長:「シガラミですか。」
会社員:「あまり、詳しくは知らないですけどねぇ。」
工場長:「西はN社さんが仕切ってるんですね。」
会社員:「まあ、そうですね。」
何だか、言い難そうだ。組合ですか。
表に出る業界ではないだけに、あまり良い雰囲気はしないなぁ。
N社が、ますます気になってきましたが、
今回はこんなところです。
ただ、葬祭に関わっているだけに、興味深い世界でもありますね。
「残ったお骨や灰の処理は、【残骨灰処理】って言うらしいですよ。」
という答えを得られただけで、まずは一段落です。