ご質問ありがとうございます。
白手袋についても、ご質問?…残念ですが、少し意味が不明です。
自宅葬とホール葬で、白手袋の是非でしょうか?
それとも日常の葬儀の風景を伝えたかっただけなのか?
あるいはホール葬専門のスタッフなのかな?
そこで「お念珠」についてのみ、お答えさせていただきます。
「お念珠」というくらいですから、地域性からか特定の宗派が浮かびますね。
一般的に「数珠」と言われているものです。
数珠はいつ頃から存在するものなのか、諸説があって曖昧です。
ただ日本に入ってきたのは、仏教伝来と同時期だと思われます。
記録として残っているのは、法隆寺の資材帳(743年)や、
聖武天皇の頃、東大寺献物帳(756年)に、
数珠が国家の珍宝として献納されているそうです。
当時は、僧侶の間でも一部の者しか使用していなかったようです。
その後、鎌倉新仏教と共に徐々に民衆に浸透し、
江戸時代には売買が許可されたり、数珠の解説書がでたりしました。
宗派毎に特徴的に改良され、幕府の政策もあって仏教は栄え、
同時に数珠の需要が増したようです。
どこか現代に通ずるものがありますね。
そこでご質問の、
案内をするときなどは手に持っていませんが、
合掌・礼拝の度にポケットからお念珠を出して、
またポケットにしまうという動作は自然なのでしょうか?
それとも、ずっと手に持っていたほうがよいのでしょうか?
ですが、数珠は本来、数を数えるお道具です。
数を取る珠なので「数珠」と言うのです。
そして数珠は法具ですから丁寧に取り扱います。
例えば、投げたり、畳や床の上に直に置いたり、
数珠を着けたままトイレに行ったりはしないでください。
数珠を着けたままで、その他の不浄な行為も謹むべきです。
(様々なハードワークも入るでしょう)
私はセミナーで、昨今の若者がブレスレットのように数珠を扱うのはいかがなものか。
同時に葬祭のスタッフならば、安易な考えで数珠を扱うなと解いています。
法具に対して、失礼な態度だけは戒めるべきだと。
故人様やご遺族様への弔意の表明は素晴らしいことですが、
数珠をしていれば、という形だけに流されてはいけない…ということですね。
その都度ポケットにしまうか、ずーと手にしているかという、
動作が自然かどうかの質問なのでしょうが、
数珠は拝礼するときにだけ、慌てて使うものではありません。
気持ちがこもっていればいいでしょう。
しかし、この問題の本質は、そもそもの信仰心の問題だろうと思います。
もう一度良く考えてみてください。
ご質問ありがとうございました。
井手一男