さて11月上旬に開催された「キャリアアップ(ナレーション活用講座)」は、
綜合ユニコム様主催のセミナーとしては、今年最後だった。
参加者は、ベーシック講座からのステップアップ組が半分、
後の半分はベーシック講座未経験の方々である。
毎度のことながら、後者の方がとても心配である。
司会の捉え方が全く違うので、その時になって、
「あー、ベーシック講座から出てれば…」となってしまうのだ。
10年以上まえから「技術論(理屈)なんか必要ない」と言われ続けてきた。
葬儀司会は技術(理屈)じゃないと…確かに仰る通りの部分もある。
しかし技術(理屈)を知っていたら、音の上げるべき箇所や速度の変化をつける箇所、
一つの文章の切り方や、切った時の間の長さの違いや…etc。
諸々の事が事前に分かるので、誰が考えても誰が聞いても、
「そんな司会にはならないだろう」という失敗が未然に防げるはずだ。
ところが、アナウンスを教える学校には、技術系の理屈が少ないのも事実である。
はっきり申し上げて、葬儀司会のレベルはかなり高い。
そもそもナレーションの「ハコ書き」まで教えているなんて、
シナリオ学校じゃあるまいし、滅多に聞いた事がないですぞ。
資料をたくさん紹介したが、説明する時間が非常に少ない。
1日で終わるレベルじゃないので、朝からずーと駆け足状態。(もっと時間が欲しい)
いつも見せてるFUNETからの様々な追悼文、パネル、各宗派の雛僧用のお経本、
そして今回は綜合ユニコム様の各資料集など…。
中でも人気が高かったのは、葬儀ナレーション集(DVDと本)でしたね。
それと関連して、FUNETナレーション自動作成システムと司会音声ライブラリ。
こんなに簡単にナレーションが出来るとは、そして音声も聞けるなんて…。
この日の研修では、全ての課題をCDに落として持参しました。
実際に皆さんに聴いてもらうと…やはり効果が出ます。
耳は上達への大きなポイントですな。
ナレーションの素材集はサブテキストで提供しています。
葬儀の司会は、司会業務だけでなく文章作成能力が必要だからです。
この二つは、全くの別物です。(大変な違いです)
はっきり申し上げて、皆がナレーションを作れるわけではありません。
そこで参加者には、読みに注意をしていただく事が大きなポイントです。
読んで、読んで、読まれて、読んで…読みつぶれて眠るまで…読んで。
アレ? 河島英五の「酒と涙と男と女」かいな。(笑)
とにかく暗記するまで読む…すると「読み」がメッセージ性を帯びてきて、
いつの間にか「語り」に近いものになっている。
本当は読んでいるんだけど、読んでいないようにアナウンスして欲しい。
個別の質問も良くいただきます。
宗教儀礼の事、禁句の事、葬祭プロデュースの事…。
(分からない時は、ホームページで質問してください)
この日もサンプルとしてFUNETの体験コーナーを用意してもらいました。
どんどん音声でも何でも、聴いてください。
ベーシック講座に出ていない参加者は苦労している。
知らない事が、一度にドッと押し寄せるからね。
言葉には向きがあることも、音の流れにも方向性・決まりがあることも、
表現には約束事が一杯あって、それを守らなきゃいけないことも…。
それらは知っていて当然なのに、いきなりキャリアアップ講座からだからね。
この日も午後に入ってからは、実演練習ばかり。
半日かけて…自分もチャレンジするし、他人の声も良く聴いて、
またそれに対する私の注意を聞いていくことで、朧げながら見えてくる。
結局理屈が分かって、それから理屈通りにやることの難しさを痛感する。
ここからが大変だけど、頑張っていただくしかない。
レベル差があるのは致し方ないが、それぞれにレベルアップした。
今後の努力と頑張りに期待しましょう。
お疲れ様でした。