家庭は大切です。でも、余りにも忙しい時は、
時々、「このままフラッと消えてしまいたい」と思うことがあります。
何もかもを放棄して、放浪の旅ですか?私にはそんな勇気はありません…。
でも、プチ放浪をしたいとき、そんな時は、絶対に「温泉」です。
それが、豊島園の「庭の湯」のこともあるし、
出張先の「ラグーナの湯」だったり、「道後温泉」「蔵王の湯」のこともあります。
岩手の「ゆこたんの森」にも行きました。
仕事のついでにということも多いですが…。
そして最近、私が大好きな作並温泉「一の坊」に行きました。
南東北で仕事がありました。
少し足を伸ばした場所にこの作並温泉があったので、
その日は少し早く現地入りしました。
ここは2年前に、両親の金婚式の旅行で、兄の家族たちとも来た場所です。
そのときから、ホスピタリティにあふれたこのホテルは、
私が大好きな場所になりました。
この日は日帰り温泉でした。
10時にはホテルに入り、ゆっくりとのんびりとしたいので、
7時半頃の東京発に乗ることになりましたが、ちょっと頑張りました。
新幹線「はやて」号です。
東京駅から見える丸の内口の景色も、随分「お洒落」に変わりました。
「はやて」には、秋田新幹線「こまち」も連結されています。
最近の秋田は、新幹線で行くこともあります。
(でも、雪には弱いので冬はコワいです…)
東京から、2時間ほどかけて作並に入りました。
もう、ここは4回目なので、勝手知ったるナンとか……です。
カウンターでチェックインをして、もう自分の家のように2F更衣室へと進みます。
そして浴衣に着替えて、エレベーターを降りて、
まずは、大きなお風呂「丸子の湯」で、のびのびとホッとしました。
平日の10時過ぎです。こんな時間に温泉にいるなんて…。
本当に贅沢です。湯船では色々なことを考えます。
今年の初めから…、春が来て、夏が来て、秋が来て…。
早いですねえ。もう、冬はそこです。
色々なことを考えていますが、その内、現実とまぼろしと、夢と…。
ごちゃごちゃになります。
この「なんくるないさ~」な感じが、私の心身を癒します。
そして、次はいよいよ露天へ進みます。
内湯と露天が離れているのも、このホテルの特徴です。
長い廊下を歩きます。平日のお昼前は、ホテル内のどこも本当に静かです。
まずは「鹿のぞきの湯」ここは、渓谷が上からはみ出したような場所にあります。
誰もいませんでした。最高の贅沢です。
聞こえるのは、風の音と、お湯の音…それだけです。
お湯は熱いですが、出たり入ったりすると何分でも入れます。
「ああ…気持ちいい!」
お昼は、お腹を空かせて釜飯処で…。
昼間のこんな時間にも、お店にはお客さんが結構います。
クラス会のような奥様方、家族連れ、アベックが一組ずつ。あとはお年寄りが数人…。そして、私…のんびりしています。
このホテルの中には、あちらこちらにすわり心地の良さそうな椅子が置いてあります。そして誰でもが、いつまでも座っていていいという感じです。
椅子からは、庭や山々が見えて、目に入る緑が心地良いのです。
少し色づいてきた木々が、目にやさしいです。もう少しで、紅葉の季節ですね。
そして、この一の坊は、何よりも、「スタッフがいい!」
常に笑顔で、さりげないのです。
サービス業を営む人なら、誰でもが修行をするべき様々なことが出来ているのです。
私がこの温泉に来るもう一つの理由はそこにあります。
お客さんとしてそこにいる私に、どのようなアプローチをしてくるのか…
返した言葉に、どう反応してくるか…ワクワクします。
それが楽しみでもあります。
このホテルで修行をして、それぞれの道に進む人も多いそうです。
サービス業の基本は、全国共通、同じです。
この一の坊の、社是、社訓にある「凡事徹底」という言葉が好きです。
「一見して大したことでは無いことを、どんな時にも、誰にでも、徹底的にやり続ける」
これは、私の接遇研修会の中でも、よくお伝えしている言葉です。
午後は、男湯と女湯が入れ替わり、
女性は1時半頃から、広瀬川源流の露天に入れます。
広瀬川が流れる目の前にお風呂があって、いやぁ…。気持ちいい…。
思わず、「広瀬川~ 流れる岸辺え~ ♪」と歌う私です。
目の前の方にやさしく、暖かく、そっと包み込むような接遇をお客様側になって、
存分に感じたひと時でした。又、帰って来ま~す!
「ありがとう 一の坊」