目的地は「東福寺」
他にも行ってみたい紅葉の名所はありましたが、
京都駅からJR で一つ目という近さでここを選びました。
10年程前に、JRの「そうだ、京都行こう」のポスターになってから人気になり、
今や観光客が押し寄せるようになったということです。
この東福寺は、京都五山の一つで、奈良の東大寺のように大きく、
隆盛を極めた興福寺のようなお寺を目指して「東福寺」と名づけられたそうです。
お寺の中に渓谷があり、昔は修行僧たちが寺の中を移動する度に、
その急な谷を降りたり崖を上ったりしていたそうです。(疲れたでしょうね)
その渓谷にかけられた橋が「通天橋」と言われる回廊で、
そこから見る紅葉が、「まるで、赤い雲海のよう…」と例えられる有名な景色です。
この日は、平日です。でもやっぱり京都ですねえ…。人、人、人。
私が東京から到着した小さな「東福寺駅前」からは、
ぞろぞろと人の列が出来ていて、詳しい場所を知らない私も、
その列に入ることで難なく到着したくらいです。
お昼ごはんを食べたいと思っても、
お寺の近くには食堂のようなものすら無い、静かな場所でしたが…。
周りにはお寺も多く、その土塀に沿って人の流れは進みます。
東福寺に入ってからは、広い敷地内を散策しました。
枯山水の方丈庭園に入ることが出来て、この庭をながめながらしばらく休みました。
四方が庭に囲まれた風情に疲れも吹き飛びました。
又、敷地の中には「百人せっちん」(昔の100人用のトイレ)がありました。
それはそれは大きな建物です。トイレも、修行の一つと数えられていたそうです。
ただ、丸い穴があるだけのトイレです…。(写真をパチリ!)
さて、次はいよいよあの、「通天橋」からの紅葉です。
通天橋周辺はやっぱりすごい人です。
少しずつ近づいて行くと、だんだんと景色の赤が強くなって来て、
人をかき分けてたどり着いた場所は、本当にポスターのようでした。
みんなが写真のスポットを狙っています。
そんなことお構い無しに、そのちょうどいいスポットで、私はひとりたたずみました。
思わず息を飲むというのはこういうことだったと、思い出しました。
「ずうっとここにいたい」と思わせる素晴らしい眺めでした。
今、色づきは七割くらいでしょうか?
緑も黄色も少しずつ混ざって、それが又、グラデーションになって、きれいなのです。
コレだけ美しいのですから、「この人の多さは、許せる」と思いました。
さて、この感動のまま大阪に入るのがもったいなくて、
次は「東本願寺」の銀杏を愛でて行こうと思いつきました。
(ここも、駅からすぐですから)
東本願寺は、29年前に修学旅行で来て以来、
何かのついでに阿弥陀堂に寄っては、心静かに過ごす場所です。
建物に近づくとここにも観光バスの軍団が止まっていました。
「そういう季節だからしょうがないなあ…」と思いながら、入って行くと、ナンと!
この日は「報恩講」という親鸞聖人のご命日に勤める法要の初日でした。
11月28日までの8日間に様々な供養がなされるということです。
この日は、法話、初逮夜(しょたいや)浄土和讃などを
1時間以上にわたってお勤めをする日です。
一般の人も入っていいとのことなので、阿弥陀堂に入って行きました。
そこでは100人近い僧侶と、400~500人の門徒さんが、
(人数は関係者に聞きました)お経を読んでいました。
思わず導かれるように中に入り、
私も一緒に、(意味も何を言っているのかも分かりませんが)音の高低になぞって、
声を出しておりました。
これがとても気持ちが良くて、ココで又、疲れが吹き飛んで行きました。
こんな行事に偶然出会うなんて、本当にラッキーです。
親鸞聖人の七百五十回御遠忌が、四年後だそうです。
そういえば御影堂の修復工事も随分長いですね。
来年の末には、すべての修復が終わり完工するそうです。
その時には又、大きな記念事業になるのでしょう。楽しみです。
久し振りの京都散策は、私に大きな満足を与えてくれました。
さ、翌日からは、接遇研修会です。
今年もあと一息です。気張って参りましょう!
ありがとう!京都の紅葉!