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2008年01月15日

東京ボーズコレクション (井手一男)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

「虹を翔るお坊さん 2007東京ボーズコレクション(TBC)」が、
昨年の暮れに東京の築地別院本願寺で開催された。
メディアでも異彩を放っていたので、ご覧になった方も多いだろう。
イベントが多岐に渡っている上に、宗派を超越した試みが面白い。
”がんばる仏教”として打ち出したようだが…。

それにしても宗派を超越なんて…初の試み。
変わったことが好きな築地別院だからこそ、実現できたのではと思う。
タイトルが似ているので失礼ながら比較すると、
「東京ガールズコレクション」実行委員会のチーフプロデューサーである
永谷亜矢子さんが、eコマース連動型の新しいイベントを展開中で凄い人気。
でも「東京ボーズコレクション」も、新鮮味では引けは取らないだろうね。
何しろ当日まで、各宗派の僧侶が実際に来てくれるかどうかさえ心配だったらしい。
よくぞ皆さんお集まりになられました。
築地別院は、式場が3つほどあり、ほぼ全宗派に貸し出し自由だ。
(因みに劇場までありますよ)
平素からのこうした行為が、実現に向けて功を奏したのは間違いないでしょう。

天台宗・真言宗・浄土宗・浄土真宗(西・東)・臨済宗・曹洞宗・日蓮宗と、
各宗派の僧侶が、オルガンのBGMと各宗派の概要ナレーションで登場。
いやあ登場しただけで立派なんだけど、それぞれが綺麗な衣体に身を包み、
競うように色とりどりの艶やかさ…堂内の空気が一瞬で透き通るわ。
ちょっと、これと似たようなことが…例えば東京の民間斎場なんかでは、
部屋数が5~6部屋あって、同時に6時からの通夜だとすると、
控え室から登場してくる僧侶たちは、それぞれに美しい衣体に身を包み…。
何ともいえない緊張感が漂いますね。

各宗派の声明(しょうみょう)が見れますのでリンクを貼ります。
東京ボーズコレクション
私は本願寺の人間なのですが、実は日蓮宗の「修法」が大好きなんです。
お寺の落慶法要の司会なんかで聞いてる内に好きになってしまいました。
見せるということを意識しているのか、演出上の素晴らしさがあります。
何しろ自分の名前(日蓮)がそのまま宗派の名前ですもんねえ、凄いことだよね。

メーンは「平和を願う法要」で、40名の各宗派の僧侶がフッションショーのように、
本堂中央のステージに並び華葩(けは)という花びらをかたどったものを撒く散華を行った。
因みに築地別院では、Xジャパンのヒデ散華も売っています。
その他、座禅や写経のプチ修行体験、仏教相談所、永六輔さんの庭説法、
山崎龍明さんの歎異抄入門講座、アフリカ音楽のコンサート、国際協力バザーなど。

さて“10年後のお寺をデザインしょう”と題した、
お寺向けのワークショップが開催されて、結構硬い議論も出たようだ。
檀家減少による寺院バワーの不足、墓の承継問題、目の前の葬儀における僧侶不要論、
様々な問題を21世紀に持ち越し、先行きの不透明感が仏式各宗派を結束させたか。
各お寺の、葬儀に依存する経済的状況が好転しないかぎりどうしようも出来ない。
もっとお寺の本質論に立ち返るべきだとは思うが…。

実はインターネットの時代、パソコンをいち早く取り入れていたのはお寺であった。
(葬儀社は何とも歯痒いくらいに遅かった)
檀家の管理ソフトは随分昔から普及していたし、各お経のデジタル化も早かった。
袈裟を着ている坊主が…と思われるかもしれないが、
そもそも僧侶というのは、元来から新しいもの大好きなのである。
今でもそうだろうが、実はハイソサイティなんですな。

TBC実行委員長の松原功人氏(築地別院輪番)の言葉が、
今月の本願寺新報に掲載されていた。
「日本を代表する各宗派が一堂に会した今回の企画は史上初の試みでは。全てのものがつながっているというお釈迦様の縁起の教えによって実現できた。この試みが、全ての人々のしあわせと平和を願う営みの第一歩となれば」

昨年の来場者が15.000人というし、人気が高くて今年も開催予定だとか。
「おいしい仏教あります」というのも、堅苦しくなくて大変良い。
しかし築地の本願寺…思い切った事をするもんだね。
今年は機会があれば訪ねてみたい。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2008年01月15日 09:00

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