受講生は、二日間に分けて割り振りされました。
葬儀が行われる中の研修会実施なので、人のやり繰りは大変だったと思います。
でも、そんなことを言っていたら、人の教育なんていつになっても始まりませんよね。
この葬儀社様では、はじめての全員参加研修会の実施でした。
午前中の講義が始まりましたが、研修会場の外では、
常に葬儀の準備でトラックが出入りするものですから、スタッフは気になるようで・・・
その度に、外に目が行く人がいました。
私は「仕事が気になる気持ちは分かりますが、
もっと研修に集中していただきたい」とお伝えしました。
そして午後からは、窓には全部カーテンを閉めさせていただきました。
せっかくの研修という時間を大事にしていただきたかったのです。
今回は葬儀社様のご意向で、接遇の基礎をしっかりと学んでいただきました。
「接遇」という視点で、人と関わる仕事というテーマでも、
お話を進めさせていただきました。
「言葉遣い」や「お辞儀」などの形はもちろん大事です。
しかし実はそれ以上に、葬儀スタッフというのは、
コミュニケーションの基本である「聴く」「話す」という力も求められています。
ワークを取り入れて、じっくりと学んでいただきました。
受講生の内訳は、葬儀担当者はもちろん、設営専門の男性スタッフ、事務職員、
火葬場案内スタッフと、料理部門の女性スタッフです。
この葬儀社様は、生花以外はすべてをやっているそうです。
今流行の「派遣社員を使う」などという考えは、まったくありません。
ですからスタッフにとっては、それだけ大変ではありますが、
とてもやりがいのある現場であり、勉強することが求められます。
こういう環境下におかれる葬儀スタッフこそが、
司会や接遇などを一生懸命に学ぼうと、努力するようです。
葬儀社の現場担当者は、お客様と葬儀をつなげる大切な存在ですが、
実はその他のスタッフも、担当者やお客様を支える為に無くてはならない存在です。
パートなどの女性スタッフは、かなり多い割合でお客様との接点があることも事実です。
現場担当者だけがどれほど優秀でも、その他のスタッフの出来が悪いと、
担当者の努力はもちろん、葬儀全体は台無しになります。
ですから葬儀社様からは、前もって
「担当者のみならず、その他のスタッフにも同じ教育を」
という研修会の趣旨も伝えられていました。
スタッフの雇用形態は様々です。
パートあり、アルバイトあり、派遣あり、社員あり・・・。
全国的に今、葬儀をサポートするスタッフの形態は様々になってきています。
但し、お客様は、誰が社員で、誰がパートで・・・なんて知りませんし、
分けて考えることなどしないわけです。
ですから、全員が葬儀を支えるスタッフとしての自覚と、
責任を担う必要があります。その辺りをじっくりとお話させていただきました。
又、それぞれの業務にあわせて、簡単なロールプレイングもいたしました。
今回は、初めての研修会ですので、「マニュアル」も無いところからのスタートです。
各自の仕事の内容を書き出すところから始めました。
「何をしなければいけないのか」「何をすることを会社から求められているのか」が
分からなくて、よりよい接遇を追及することは出来ません。
まず、リーダーからは、簡単なマニュアルの提出をお願いしました。
そして、料理部門の女性の「精進落としの席での対応」と、
事務職員の「和室でのお茶出し」等などを実践いたしました。
今回の研修会は、やっと全員が「最初のスタートラインについた」という感じです。
勝負はこれからです。
「地域ナンバー1」を目指して、接遇という視点で、
やらなければいけないことの数々、問題点も浮かんで来ました。
私も講師として、これから何がお手伝いできるかを考えています。
皆様、大変お疲れ様でございました。
頑張りましょう!