そもそも、私のような庶民は、
音楽著作権の権利回りはJASRACが一括管理するものだと思っていました。
JASRACが音楽著作権管理を独占していて、当然だと。
特許庁が特許を管理するように、音楽の著作権はJASRACが管理するものだと。
しかしそれは間違いで、本来は誰でも著作権管理事業を行って良いのです。
弊社のBGMに関しては、弊社が管理を行っているように。
では、なぜJASRAC以外の管理者が現れなかったかというと、
JASRACの管理方法が、上手だったからです。
私も今回の事件があって知ったのですが、JASRACは放送事業者に対して、
【放送事業収入の1.5%を払えば、JASRACの管理曲を無制限に放映しても良いですよ】
という契約を結んでいたようです。
放送事業者は、曲個別に利用契約を結ぶこともできるのですが、
曲を大量に放送するため包括的利用許諾契約を締結するのが一般的だったようです。
さらに放送事業者側としたら、音楽著作権管理事業において圧倒的なシェアを
持っているJASRACと包括的利用許諾契約を結んでいれば、
他の音楽著作権管理者と手を結ぶメリットも必要もありません。
だから、JASRACが楽曲管理を独占している現状では、
JASRAC以外の楽曲管理事業者の参入は困難だったようです。
ちなみに、イーライセンスやジャパン・ライツ・クリアランスといった
音楽著作権管理団体が存在していたようですが、私は知りませんでした。
しかし、公正取引委員会が入って、このような状況が不健全だと割って入った以上、
JASRACの独占的な音楽著作権管理の状況にメスが入れられるのは確実でしょう。
何より、教授こと坂本龍一を始めとした、
著作権利者自身がJASRACに不満を持っていた…ということも、
改革を後押しする要因になりそうです。
今回の立入検査が、日本の著作権管理を見直すキッカケになるかもしれません。
さて、著作権と少し話が繋がるのですが…
ＦＵＮＥＴのＤＶＤに関して、新しいテンプレートをリリースしました。
デザイナーの手で作成されたセンスのいいものになっていると思います。
テンプレートに使用している画像の小さなものを、紹介します。
全体的に暗い画像が多いのは、
テレビでの使用を前提に作っているからです。
テレビで見ると、程よい発色になると思います。
まぁ…一見、ただの画像ですが、
著作権の問題をクリアにするのには、結構苦労しています。
かわいそうな位、苦労しています（冗談）。
たぶん音楽も写真も似ているのでしょうが、
著作権というものは一筋縄ではいきません。
唯一安心して使える写真は、うちの社長の写真です。
その他の多数の写真画像は、
各写真案件ごとに管理担当者に問い合わせて使用条件等の確認をし、
その条件に沿ってＦＵＮＥＴで使用できるか可否を判断する作業の繰り返しです。
「否」となるケースがほとんどですが、
上記の写真たちは見事困難な条件を通過してきた、特別な写真です。
ＦＵＮＥＴの会員であれば、多少の禁止事項（二次使用等）はありますが、
安心して葬儀用映像に使えます。
贅沢を言えば、本当は歴史物の写真も欲しかったんですけれども…。
毎日新聞のフォトバンク、料金高い。しかも、制約が厳しい。
他を当たっても、似たような条件。
…今回のリリースでは、残念がら断念しました。
新聞社は、時代という切り口を独占しているということで、
公正取引委員会が入らないかな！？
社長は、「タイムマシンがあったら写真を撮りたい」と言っていました…。
様々な写真で著作権をクリアしていくのは、なかなか困難ですね。
この種の著作権周りをかじったことのある人は、わかっていただけると思います。
ＦＵＮＥＴは今後も諦めずに、葬儀で安心して使っていただける著作物を、
増やしていきたいと考えています。
こういった著作物の扱いを上手にこなせる企業が、
良い企業イメージを持っていくと考えていますので。
