会場の都合もあり40名定員で締めてあるのだが、今回は41名。
若い人が多く、といっても、こちらが年を取りましたのでそう思えるのです。
この時点では、皆さんとても元気です。
だって研修の厳しさをご存知ないですからね。
まさかこんなにハードだとは思ってなかったらしく、クタクタになって帰社されます。
それでいいのです、汗水たらして頑張って、大きくなってください。
いつもは教壇が真下にある、階段式の教室を使わせてもらっていたのですが、
今回はフラットな教室、遠くの人が…ちょっと見えにくい。
実技筆記と接遇だけは全員一緒にやりますので、隅から隅まで見逃しませんぞ。
実技筆記はとても良い問題なのですが、実務とのズレや…例えば体験していたら、
納得出来ることも、それが出来ないから理屈として理解しなければならなかったり、
或いは、6世紀以降の仏教の歩みや、千数百年に及ぶ神仏習合の歴史など、
プロとして学ばなければならないことも多い。
面白く深みもあるのだが、目の前に試験という関門があるだけに、
興味本位で突き進むわけにも行かず、私もジレンマに陥る。
しかし、この制度のお陰で、多くの人が学んでくれたのは間違いない。
例えば、死者の顔に掛ける白い布、これは、万に一つも生き返ったら、
微かでも動くことから、発見しやすいようにとの願いがあるのだ。
通夜でドンちゃん騒ぎをするのは、村で年に何回かしかないような、
楽しい酒盛りをしているのに、朝まで待っても起きてこなかった。
だからこそ死を確定し、喪が決定するのだ。
通夜とは、生と死の境界線上にあることが分かる。
「逮夜」という字は、その夜に逮まったという意味らしい。
死装束の、故人と縁のある女性の手によって糸尻を留めずに縫われた分けは?
千人針を例に出したり、忌の分散というテーマから話を多方面に進めたり…など等。
問題を全問解きながら、私は時間の許す限り色々な話をする。
究極のサービス業と言われている葬祭業界。
仕事の多様性からみれば確かにそうだが、煙草ひとつを例にとっても、
どこが究極のサービス業かと言いたくなる。
接客業で煙草臭い人がいるのに、時代の感覚がまるでない。
司会者にしても、開式したらその場を離れる人も多い。
大切な儀礼の式の本番中である。
究極の…と言うなら、仕事の時間内は、煙草は吸うなと言いたい。
ネット環境にしてもそうだ…誰かに依頼しているくせに、
要するに自分では使えないくせに、何を言っているのだ…。
身嗜みにしても恥ずかしい限りである。
半袖のYシャツ、ダブルのスーツ、髪型のカットは月に何回…
究極のサービス業を目指すのは勝手だが、現実を見ることが大切。
2級の幕張装飾は、割りと優しい部類に入る。
だから、研修の時間内にクリアして帰る人も多い。
この試験も、当初のように天上幕や円筒幕があった時代は女性には難しかった。
今のようにテーブル幕限定になってからは、男性より女性の方に適性がある。
何だか、何処までいっても女性の時代なんですなあ。
私が見る限り、司会や接遇の適性も女性だと思えるので、男性は分が悪い。
いずれにしても、2日間お疲れ様でした。
帰ってからが大変ですが、皆さんの頑張りに期待します。