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2008年08月13日

お忍びで、葬儀に参列しました(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

長年、接遇研修会でサポートをしている葬儀社様の葬儀式場に、
会葬者として参列しました。
実は、参列をしながら葬儀スタッフの様子を見せていただく目的がありました。
日頃の接遇研修会でお伝えしたことが、
できているのかいないのか…常に気になるところです。
しかし実際に現場で見るということは、
地方の葬儀社様の場合、なかなか叶わないことです。
今回は、会社の方との話し合いで決めました。
私自身も大いに乗り気で、
どのように頑張っているかを見せていただく目的で向かいました。

講師として葬儀の現場に入ってしまうと、
現場スタッフは緊張しますし気持ちも落ち着きません。
ですから、参列者として入ることにしたのです。
まず大変だったのが、私が参列者の振りをしないといけないわけです。
喪服を着て、黒いバックを持って…
どこから見ても参列者の様子で、受付を通りました。
その葬祭ホールには最近の研修会でお目にかかった方も多いので、
最初は私の方が緊張をしました。ばれてはいけない…。
しかし、それらしく座席に座り、周りの様子を見るのはとても興味深かったです。
なかなか皆さん頑張っています。

開式が近づいて来ました。司会者がナレーションをしゃべり始めます。
この日はプロの派遣司会者が入っていました。
参列者は、開式前のナレーションを聞かないわけにはいきません。
シーンとした中に綴られる故人の人生には必ず誰もが、耳を傾けるのです。
だからこそ、司会者はきちんとした言葉で、トーンで、間で、しゃべる責任があります。
私自身、弊社井手の司会セミナーには、数え切れないほどの回数を見学、
又は、手伝っていますので、どうやら聞く耳だけは出来ているようです。

すぐにこの司会者のトーンが明るいことが分かりました。
語尾も延びます…。クセがついていますね…。
とっても高い音から、しゃべり始めます。
言葉の最後は低いトーンで着地をするのですが、全体にイベント司会的なしゃべりです。
きっと葬儀司会のセミナー等に参加なさっていないのだと思います。
全体的なしゃべりにはとても雰囲気のある方なので、とてももったいないと思いました。
「司会者の言葉は、葬儀の雰囲気や環境を作る」ということが、強く感じられました。

さてスタッフですが、スタッフ達は私がいることには全然気づかずに、
いつも通りの仕事振りを見せてくれました。
本番というのはなかなか大変です。
打ち合わせには無いことが必ず現れます。
「その時にこそどうするか…」が、スタッフの能力であり実力でもあります。

そんな時こそリーダーは、どっしりと構えていて欲しいと思います。
リーダーの気持ちがそのままスタッフに伝わります。
そして良くも悪くも、葬儀の空気を作ります。
見学させていただいた二つの葬儀は、どちらも導師の数が多くて、
真宗大谷派は4人、曹洞宗は10人の導師がひしめき合って、
祭壇前のエリアに座っていらっしゃいました。
通常の葬祭ホールの広さですから、それは仕方がありませんね…。
それをさばくスタッフはとても大変そうでした。
この場合スムーズに進めるコツは何だろう…とも、思いをめぐらせました。
私は、東京ではめったに見ることの出来ない、
荘厳な葬儀を体験させていただきました。

どちらの葬儀も、終了してからスタッフ達に会い、さすがに驚いていました。
そうですよねえ…。講師が参列者席に座っているのですもの…。
驚かせてゴメンナサイ。
しかし、講師としてとても貴重な経験でした。
皆さんの現場を見せていただいたことで、
より良くこの地方のスタッフの気持ちに近づき、
研修会の様々なテーマも浮かんで来ました。

スタッフについて気づいた細かい課題はリーダーにお伝えして、
この日の見学は無事に終了しました。
これからも現場で使える接遇スキルをご提供して行こう!と、心新たにいたしました。
皆様、大変お疲れ様でございました。
広い県内を片道1時間近くかけてご同行いただいたS氏にも感謝いたします。
ありがとうございました。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2008年08月13日 09:00

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