「原盤権」とは、一体何か?
盤とあるので、レコードやCDに関係あるのかな…と推測できますが、
テープやipodなどのも含め記録媒体はあまり関係なく、
それに記録された【音源】に対する権利です。
現代では、音楽を録音した上で、レベル調整や雑音除去、
エフェクト追加などの作業(マスタリング)が行われるのが一般的です。
弊社の収録でもそうですが、収録には音楽を演奏したり、編集作業をしたり、
多くの人が作業に関わり、作業に伴い多額の費用が発生します。
そこで、それらの作業費用を負担する代わりに、
最終的に完成した音源(原盤)に関する諸権利を取得する権利が原盤権です。
(複製権、二次使用料受領権、貸与権など)
著作権と密接した関係にあるので、著作隣接権とも言われます。
さて、iTunesにオルゴール曲が数多く見つかる…ということですが、
勘の良い人は、もう気づいたかもしれません。
そう、市販の曲の原盤権を気にせずに済むからです。
もちろん、オルゴール曲の場合でも、
著作権にかかる料金は支払う必要があります(主にJASRAQ)。
しかし、原盤権に関しては子会社や下請け等に作らせる場合が多いので、
安く済みます。
また、楽曲の原盤権を持つレコード会社が、
iTunesなどネット配信を拒むことは多々あります。
その場合でも、代替手段としてオルゴール曲を配信することが、
レコード会社の顔色を伺うことなくできるのです。
ただし、繰り返しますが、著作権は意識しなければなりませんので、
それに関わる支払いや諸権利は遵守しなければなりません。
(また、音楽著作権管理団体は、JASRAQ以外にも設立され始めていますので、
其々の楽曲に対して問い合わせ先を調べなければなりません…複雑ですね。)
さて、ここで葬儀を振り返ってみましょう。
最近では、DVD等の映像が、葬儀で取り入れられています。
しかし、BGMに市販の曲を利用する場合は、
著作権(JASRAQ等)だけでなく原盤権(レコード会社)もクリアする必要があります。
音楽の二次使用にあたるからです。
…これは大変。ほぼ不可能です。
音楽は、葬儀では不可欠な要素の一つ。
ただ、音楽は多くの諸権利に守られていて複雑です。
しかし法人として法令順守が、最近叫ばれていることでもあります。
安心の葬儀を施行するなら、
安心して使える音楽(葬祭用に使用してよい音楽)を使用されることを、
お勧めしたいと思います。