偶然にも、訪問した日には施行が入っていました。
この時期だと、仕事が入っている確率の方が高いのかもしれません。
折角でしたので、お忙しいかとは思いましたが、
開式前に、式場の様子を見せていただきました。
式場の上部左右のモニターからは、FUNETを活用して作成したDVD映像が流れます。
ここのDVDは、FUNETから提供している雛型のから独自のものを作成していて、
「蓮月季」のDVDという色が強く出ており、驚かされました。
既にFUNETをマスターし、ご自身のものにされているのですね…。
映像の内容は、故人の人生をつづった演出文章入りで、
落ち着いたトーンのBGMを採用しています。
写真も、10枚以上入って、充実しています。
特別に断りがない限り、このDVD作成を毎回行っているそうです。
全従業員が、それをできる体制になっているということです。
DVDは、施行後に追加注文が入ることも多いそうです。
映像を流すタイミングは、開式前ということです。
この映像のBGMが流れ始めると、
いよいよ開式ということでロビーにいる会葬者は式場内に入り、
式場内にいる人は静かになるということです。
実際に、今回の開式の様子も見させていただきましたが、
ゆっくりと暗転し、自然に映像が開始される。
まるで映画が始まるような、そんな演出がされていました。
さらに余談ですが、1つの施行で映像は3種類作られているそうです。
上記の他に、写真のみのスライドショーDVD映像と、
施行時の写真を使った簡単スライドショーの映像。
一連の施行の場面・場所によって、映像を使い分けている…ということです。
手間がかかっていますね。
この手間がかかっている感は、式場にいるだけで十分に伝わってきます。
白木祭壇。
花祭壇がメインだそうですが、白木の需要もまだ多いそうです。
祭壇の両サイドの大胆な人工芝の飾り付けには、センスを感じました。
造花ではなく、人工芝なんですなぁ。
花は、全国的にも有名な某企業と提携されているようです。
飾りつけは、入念に話をして決定しているとのこと。
その話し合いが、気を抜かせない、質を落とさないことに、
重要なのかもしれません。
さて、場所が変わって控室です。
ガランとした、陽光がよく入る、掃除された部屋だなと思いきや、
エアコンなど隠せるものは隠しているんですね。
隠している部分を敢えてピックアップするのも無粋ですが、
ご寛容ください。
ここで館長と色々と関係ない話もしていたのですが、
話をしていて私が耳に残ったキーワードは、「恥ずかしくない」というものでした。
「恥ずかしくないことをしたい」ということです。
会館、料理、返礼品、全ての話の中で、出ていた言葉だったと記憶しています。
少し懐かしい言葉かもしれませんが、
「日本の文化は恥の文化」という言葉があります。
この恥とは、劣等感につながる恥ではなく、
新渡戸稲造の「武士道」によるものです。
良心に対する傷を感じること、
…良心に対し痛みを感じ取り、自分の心に対して恥じること…、
良心が鈍感になれば、恥を感じなくなる…、
良心の恥は生産的な恥でありその判断基準は善である…。
この「武士道」に通じる恥を、
館長は、強く意識されているのかなと思いました。
だから、会館全体にも、精神的な強さを感じるのかもしれません。
かわいいですね、障子の修復部分で御座います。
一人でお茶を嗜んでいる時に、パチリと撮ってしまいました。
つい、かわいさに負けてしまいました。
かわいいということは、罪ですなぁ。
こういう修復もキチンとされていれば、ちょっと懐かしい風情ですね。
最後に、この会館を一言で言うならば、「完成されている」会館です。
それは、会館の掃除が行き届いていて挨拶が完璧で故人中心の考え方で…
という表現とは少しニュアンスが違うかもしれません。
例えば、会館にゴミが落ちているかもしれません。
ただ、会館にゴミが落ちていていれば、
蓮月季の人は全員が自然に拾うだろうという意味で、
完成されているということです。
「自然に」というところが、最も重要だと思います。
自然にできる。
それは、精神が行き届いているということだと思います。
PS.
色々とお世話になりまして、ありがとうございました。
ちょうど今、館長は得度中だと存じますが、ご壮健をお祈りしております。