今日の授業は、出来ることなら止めたかった。
WBCの決勝戦の日に、テレビも見ずにパソコンの勉強をしているなんて。
先生だって同じ気持ちだろうに…ブツブツ…。
ところが、先生から驚くべき言葉が。
「今日は150行程度のプログラムを打っていただきます」
「えっ…???」
渡されたのは4ページ程の原稿。
（そういうことだったのね、いいよなあ講師って）
そこで先生からの注意事項があり、他の部屋へ消えかけたその時。
「先生、野球の途中経過教えてくださいねっ！」と声をかけた。
「あっ、はい。（少し照れくさそうに）それは勿論」
ということで始まったプログラミングの自習。
(俺も出来れば葬祭の講師じゃなくて、PCの講師が良かったぜ)
コマンドを打ち続けるのは、姿勢が一定なので腰が痛くなる。
プログラム言語を発明した人は偉いよなあ。
我々は、ただコピーしているだけだから。
ところが、日本人でも凄い人がいる。
「まつもとひろゆき」氏、島根県在住。
（この方、一般にひらがな表記に拘っているみたいだから）
彼はruby(ルビー)という言語（Cを基にしている）を作った人なんだって。
それが今では他の国の人が改良して、ruby on rails(ルビー・オン・レイルズ)になり、
プログラミングの世界では、結構使われるようになっているらしい。
楽天も使っているようですよ（今は楽天でも活躍中）
勿論、プログラムは無償提供ですよ。（その点であなたは天才！）
只管（ひたすら）コマンド入力を続けていると、先生が入室。
「勝ちました、延長で！勝ちました、最後はイチローが決めてくれました」
（オイ、興奮してるね…日本中が今こんな感じなのかいっ）
私が思わず、
「帳尻合わせやがって、流石というか…まあ、良かったねえ」
「イチロー、嫌いなんですか？」
「??? いえ、大好きですよ（笑）」
（説明に困るんだよね、経験者にとっては）
「もうちょい時間が掛かりそうですね」
侍たちの喜びの声が聞きたいのか、また別室へ消えていく講師であった。
こんなコマンド入力さあ、さくらエディタで入力してコピーすればいいんだよ。
と思いつつ、今は直接入力の勉強をしているのだからと納得させるしかない。
――やっと終了。（さくらエディタも無償提供です）
再び先生も登場し、ブラウザを開いて確認。
Apacheは間違った箇所は何行目ですって、英語で出るんだよね。
しかも、大事な部分は太字でさ。
で、もう一度プログラムを確認した時、先生が言った言葉。
「あーっ、井手さん、NASAと同じミスをしていますね」
「えっ???」(一瞬、誉められたのかと思ったぜ)
だってNASAと同じミスなんだろう、天才揃いのNASAと。
やっぱ俺も天才だったんだー、と笑いが止まらない。
「そ、そうですかっ！ 私があのNASAと同じミスを（笑）」
聞くところによると、数十年前、スペースシャトルの打ち上げに失敗する。
原因を探っていくうちに、プログラミングミスがたった1箇所発見されたという。
それと同じミスを私がやってしまったということだ。
（ブラボー、嬉しい、NASAと一緒だぜ、ヤッターマン）
で、その間違いは何かって。
「,」（カンマ）と「.」（ピリオド）の入力ミスなのです。（ダハッ）
なにーっ、老眼の目でみても、ほとんど同じじゃ。
私にとっては、大して変わらないのだが…。
たったこれだけで、スペースシャトルは打ち上げに失敗したのか。
あのー先生、ひとこと言っていいですか、
「こりゃーコンピューター、気を使うっていうことを知らんのか！」
大変だなあ、こりぁ！
日本も優勝したし、講座でも良いお話が聞けました。
