埼玉県の葬祭団体様での、接遇研修会でした。
今回は、既存ホールのすぐ横に出来た「家族葬」専門の式場を見学するのも、
1つの楽しみにしていました。
座席数は40席程度で、式場と会食室をひとつにしても使えるレイアウトになっています。
白木の祭壇は置かずに、無宗教葬にも対応しています。
壁紙は場所によって、朱色のような斬新な色を使っていますが、
少しも違和感はありませんでした。
そして、私がいいと思ったのは、心地良さそうな椅子がたくさん置いてあることです。
悲しみのお客様が葬儀の前後に疲れた心と体を委ねられるのは、
やっぱり座り心地の良い椅子です。
いつでもどこでも座れて体を休めることが出来る環境は、葬祭ホールに必要なものです。
このホールでは早速、故人が好きだったジャズを使った音楽葬が行われたそうです。
「無宗教で葬儀を行いたい」とおっしゃる遺族は、大体自分達のイメージを持っています。
会葬者としてどこかで見たのかも知れません。
生前に、故人が考えていたのかも知れません。
いずれにしても、担当者側にはそのイメージを確実に聞き取って、
実現させてあげることが求められます。
又、無宗教で葬儀が出したい方というのは、いかにも仏式葬が行われるような、
例えてみればお線香くさい式場を好みません。
仏式葬で使うような葬具が置いてあったり、宗教葬の雰囲気がつよ過ぎると、
せっかくの「無宗教で見送る」という意思がかき消される場合があるからです。
そのような時には、葬儀社側に思いっきり宗教色を排除する勇気が求められます。
それをお客様が求めている場合が多いからです。
なぜ無宗教葬にしたいのか、どのような無宗教葬にしたいのか・・・。
担当者はじっくりと遺族と向き合い、相談をする必要があります。
その上で、作り上げることが成功への道です。
中途半端が、一番失敗します。
葬儀社側にとっては、決して楽なことではなく、むしろ大変なことかも知れません。
しかし、「無宗教で・・・」とおっしゃるお客様がいらっしゃる以上、
その気持ちにとことん向き合って、その思いを形にしてあげることが大切です。
家族葬専門、無宗教葬専門・・・様々な新しい形の葬儀、式場が現れています。
ただ、そういうホールを建てればいいということではなく、
葬儀のお客様が、「なぜ、そうしたいのか・・・」という気持ちまでを聞いてあげて、
その遺族にとっての葬儀という形にしてあげることが求められて行くのでしょう。
そういうことも、葬儀スタッフのグリーフマインドだと思います。
研修会については、次回に報告いたします。