会場へ向かう道々、色々な話をしますが、道の左右はどこまでも広がる水田。
しかし、明らかに不自然に一部を切り取り、大豆栽培をしている場所がありました。
それも、あちらこちらにあるのですが、この景色は宮城県でも目にしたことが・・・。
そうです、これが減反政策という、米の生産を抑制するための政策であり、
具体的な方法として、米作農家に作付面積の削減を要求するものです。
難しい問題だから気軽には語れません、が、曇り空の下、
遠くに霞みながら働く人を見ると、絵画を見ているようでもあり、
牧歌的で荘厳で、何とも神々しくありがたいのです。
農家をやったことがない私には、残念ながら、その苦労がわからないのです。
実はこの日、テレビで「田植え選手権」という競技の結果を伝えていました。
手作業で田植えをし、その綺麗さと速さを競い合うらしいのです。
小学生の子供が、楽しそうに真っ黒でした。
いいよなあ、こういう田舎も・・・ね。
会場に入ると、顔見知りの受講生ばかり。
和気あいあいと、体育会系のノリで講座がスタートしました。
すでに研修をしていますから、司会に対する心構えは充分出来ています。
また、変に力んだり、構えたり、そういう障壁は乗り越えています。
葬儀の司会は考え方がしっかりして、小さな努力を積み重ねていけば、
やがては何とか形になることは、皆さん知っていますから・・・。
私は皆さんが、どのように変わったのか(進化したのか)を見るのが楽しみ。
ですから今回の研修のテーマの一つは、自分自身をどこまでコントロール出来るかです。
最終的には、声のコントロールを目指すのですが、
その前に、体のあらゆる部分のコントロールが自在に出来るか?
残念ながら、これが意外と出来ません。
そのことを体感してもらい、その上で声のコントロールの難しさを知るのです。
ニュアンスの出し方というテーマでは、様々なパターンを二人一組でこなします。
昨年は、5~6名のチーム対抗別の進行台本を用意しましたが、
今年は個々の更なるレベルアップが目標だから、最終的には、
一人の声を全員で聞いて、どう聞こえたかで選択してもらうのです。
きちんと伝わる人、中途半端な伝わり方しかしない人、そして、まるで駄目な人。
それらの音の違いはどこにあるのか、リアリティって何なのか、
人に伝えるってどういうことなのか、思いは言葉を通じて伝わらないのか、
そのようなテーマで進行させていただきました。
深いテーマです、が、軽―く、明るく、爆笑タイムで過ごせました。
これもこのスタッフの明るさなのでしょう。
また、実際にナレーション取材の練習もしてもらいましたが、
とても紙上ではお伝えできないほど、面白過ぎましたよ(涙笑)。
MP3再生機に大量にナレーションを入れ、人数分送りました。
午後の時間は、交代で喋りっぱなしです。
繰り返すことによって、確実に実力が付いていきます。
音を取る感性が鍛えられているからこそ、すぐにコピーも出来る。
音の高低、音の流れ、読みの速度、間の長さ、ニュアンスまでコピーする。
「聞く」ではなく、<十四>倍の<心>で「聴く」ことを知り、
取材では、それが「訊く」という感性に変わる。
ギャグを交えながら、小難しいことをお話ししましたが、
受講生が講師を巧く乗せてくれたのでしょう。
調子こいて法話の真似ごとまで・・・卒業試験を思い出したぜ。(汗)
それでは皆様、大変お疲れ様でございました。
(やはり・・・私は睡眠不足でした)