そのミシュランガイド、今年の10月に「京都、大阪」版が出るそうです。
しかし、「京都、大阪」版のガイドブックは、出版に至るまでに問題があったそうな。
というのも、京都の名店が多数、掲載拒否を公言した…とのこと。
出版記念記者会見でも、「新しいミシュランガイドに大阪を入れたのは、
京都だけでは掲載拒否が多くて足りなくなったからではないか」
という質問も出る程…。
かつての朝日新聞に掲載拒否を拒んだ店のインタビューが記事にされていましたが、
それを引用すると、
【(京都市内にある老舗の京料理店の)店主は「星」の評価を拒んだ理由について、
「料理だけで判断する姿勢が気に入らなかった」と話し、「京料理は打ち水された
玄関や手入れの行き届いた庭など、もてなしのすべてが文化。フランスの調査員が、
我々の文化や伝統を学んでいるとは思えない」】
といういこと。
確かに、京料理では(日本料理全般に言えるかもしれません)、
玄関や庭の「季節感」や「風情」なども味わっている気もします。
京都では庭を見るだけで高い拝観料を取る寺院も多いですし、
京料理屋も玄関や庭に多大な労力を注いでいても不思議ではありません。
そのような「皿の上にのらない」部分、「もてなしの心」全般を総合評価して、
初めて名店と呼ばれる歴史が、京都にはあるのかもしれません。
一方で、『一見さんお断り』に見られるような閉鎖的な性格も、
ミシュランの格付けを拒む一因になっている気もします。
馴染みの客(リピーター)を大切にすると言えば聞こえはいいですが、
だからと言って、新しい人を排他するのは如何とも思います。
しかも、京都は日本で最も有名な国際観光地。
諸外国から入ってくる資本も、決して疎かにはできないはずです…。
京都の歴史や文化と、新しいミシュランという価値観。
両者を折衷していくのか、「格付け」の難しさを感じます。
来月には「ミシュラン・ガイド京都、大阪」が発売されます。
どうミシュランが格付けを纏めたのか、楽しみではあります。
ちなみに、葬祭業界でも葬儀社の格付け機関があります。
しかし、葬儀社を差をつけて評価することは難しいようです。
(ほとんどの葬儀社が☆5つとか…)
また、【優良】葬儀社を紹介する団体もありますが、
何をもって【優良】とするのか、その評価軸は気になるところです。
このような監査的な役割を果たす機関が必要ないとは思いませんが、
なかなか葬儀社を公平に評価するのは、難しいようです。
そういえば、イオンも9月に葬儀社紹介業に参入してきました。
ホームページを見る限り、既存の葬儀社と提携して顧客を紹介する内容だと思います。
単に顧客の窓口になって紹介しているだけなら、ほとんど価値がないでしょう。
今後、大企業としてどのような価値を葬儀業界に提供してくれるか、
期待したいところではあります。