しかし、野球のようなプロスポーツは、
気持ちの面も大切にして欲しいビジネスでもあります。
ファンはスポーツ自体の面白さやゲーム性を楽しむというより、
一つ一つの勝負の中にあるドラマを楽しんみますから。
特に、ルールや戦略性をよく知らない人ほど、
選手個人個人を見ているのではないでしょうか。
試合に感動するとか、試合を見て気持ちが揺さぶられるとかは、
ゲーム自体が面白いというより、
ゲームに関わった選手から伝わってくるものが多いのだと思います。
その点、メディアへの露出が多かった野村監督は感情移入しやすかったですし、
楽天を応援している野球ファンも多かったのではないでしょうか。
ボヤキが聞けないのは、残念ですね。
さて、気持ちの面も大切にしたいという意味では、葬儀ビジネスもそうですね。
葬儀の場合は、消費者の気持ちだけでなく、宗教心も併せて大切にされていますが。
ただ最近では、消費者視点がよりフューチャーされ、
遺族や親族、会葬者の気持ちが大切にされている印象があります。
「感動する葬儀」というものもありましたが、
葬儀において顧客の気持ちをより大切にするという表れの一つでもあったのでしょう。
しかしながら、肝心の消費者が、
葬儀に対して気持ちを失っている(失望している)のように思います。
直葬や小規模葬が増えているのは、
消費者の葬儀に対する気持ちが離れしている表れではないでしょうか。
話は少し変わりますが、最近、墓参りを代行するサービスのニュースを見ました。
参照:「墓参り代行」が人気、高齢者や故郷離れた人に(YOMIURI ONLINE)
サービス内容を抜粋すると、
「墓石に向かって合掌。約20~30分かけ、草むしりし、墓石のコケを取り除き、
線香立てを洗い、再び合掌する。料金は5250円。」
ということです。
「墓参り」と言うより、「墓掃除」の代行でしょうね。
葬儀社が今までの以上に営業の幅を広げていることはわかります。
(人気というには、件数が少ない気もしますが…)
一方で、世間の宗教離れも反映しているように感じます。
本人に代って合掌をして、線香も立てるそうですから。
気持ちに関わる部分まで代行するというのは、少し寂しいですね。
「おくりびと」や「納棺夫日記」がヒットしたのを見てもわかるとおり、
世間の死に対する関心が薄いわけではないと思います。
しかし、それをどうも上手く葬儀に汲み取れていないのが、
葬儀業界の課題ではないでしょうか。