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2009年12月01日

プライベート ブランド (工場長)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

一昨年前あたりからだろうか。
スーパー(小売業者)でプライベートブランドの商品を見ることが多くなった。
ダイエーやイオンであれば、「トップバリュー」。
西友であれば「ファインセレクト」。
スーパーだけでなく、コンビニや家電小売業者でも、
プライベートブランドを良く見る。

プライベートブランドとは、相当規模のチェーンストアが、
その販売力を背景にメーカーと共同で商品開発・企画を行い、
小売業者のブランド名をつけて販売する商品である。
(一方で、メーカー独自の商品はナショナルブランドという)

小売業者にとっては、
大量仕入れによる販売価格の引き下げや、粗利の確保を期待できる。
一方、メーカーにとっては、
一定量の販売が確約されることで売上の安定させることができる。
(営業担当も楽にノルマをクリアできる)
消費者にとっても、安い商品を購入できるメリットがある。
実際にスーパーで陳列されている商品を見ればわかるが、
プライベートブランドは一様に安い。
主婦にとって、心強い財布の味方であろう。

卸売、メーカー、消費者、三社ともに、
プライベートブランドはメリットがあった。
しかし、どうもメーカーにシワ寄せが来ているらしい(と、テレビでやっていた)。
というのも、そもそも【安い価格】が前提にあるため大きく利益が取れない。
また、生産稼働が激しいにも関わらず、
それほど利益が上がらないため従業員のモチベーションが落ちる。
さらに、人的資源をプライベートブランドの生産に注ぎ込むため、
メーカーとしてオリジナル商品開発力が低下する。
総じて、メーカーの企業力(特に中小企業)が低下している…とのこと。

しかも、プライベートブランドが売れない場合、
メーカーにも販売促進費として負担が要求されるらしい。
小売業者が損をしない仕組みだ。
メーカーとしては、小売業者との付き合いもあるから、
簡単にはプライベートブランドから手を引けないだろうが…。

それでも、プライベートブランドから手を引くメーカーも出てきているという。
働けど働けど、利益が出ないなんてやり切れませんよね。
しかも、オリジナル商品開発に力を注げないのはメーカーとして致命的。
背に腹は代えられないのかもしれないけれども、
オリジナル商品を開発するメーカーには、頑張ってほしい。

そういえば、小売業者のイオンの葬儀紹介事業。
根は、プライベートブランドと似たような考え方かもしれません。
「イオンだからできるサービス」と書かれているオリジナル会葬礼状に会葬パネル。
きっと、両方とも別のメーカーが下請けしているでしょう。
そもそも、葬儀の施行自体がイオンではない業者だ。
さらに電話受付自体も、別の業者が請け負っている…。

ま、小売業者の考え方なのでしょう。
商品を選ぶのは消費者。
個人的には、個別の葬儀業者に頑張って欲しいところですが、
さて、どう市場が動いていくでしょうか。

PS.
プライベートブランドに関して、
2009年8月、社団法人食品需給研究センターが、食品メーカとスーパーを対象に、
その企画開発・製造・流通についての実態調査を開始したとのこと。
2010年3月に調査結果の発表が予定されている。
どのような結果がでるのだろうか。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2009年12月01日 09:00

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