さて、見せてもらった価格表は、当然のことながらドル($)で書かれています。
円に換算してみても、いくら円高とはいえ強気の料金設定だなという印象です。
基本的な葬儀施行が、$8,500。1ドル90円で換算すると、765000円。
ディレクターの人件費やホール使用料、火葬・土葬でこの料金です。
礼状や花は、オプションで別料金です。
アメリカの葬儀の平均料金が $6,000 ~ $7,000(540,000円~630,000円)だ
そうなので、それと比較しても高いです。
ちなみに、現在のアメリカでは土葬が65%、火葬が35%程度です。
10年前は火葬は25%程でしたから、現在では火葬が広まってきています。
かつては、キリスト教では最後の審判における死者の復活の教義を持ち、
この時に元の身体が必要と考えられているため火葬への禁忌が強い影響か、
人を火で焼くことに精神的な抵抗が強かったようです。
今はコストの低い火葬の認知が高まっていることもあり、火葬が広まってきています。
また、アメリカの葬儀料金における一般的な話ですが、
Federal Trade Commimssionという、
日本で言う公正取引委員会のような機関があって、
そこに要求されれば葬儀社は葬儀の価格表を公開しなければなりません。
さらに、ニューヨーク州の厚労省やニューヨーク市の消費者庁のような機関からも、
同様に要求されれば葬儀の価格表を公開しなければなりません。
3者それぞれが要求している内容は微妙に違うようですが、
ポイントは、国や行政機関が葬儀料金を監視しているということです。
だから、家を見て料金を決めるといった、言い値のようなことができない。
日本も、行政が葬儀の価格表の管理をやっていれば、
葬儀の価格に対する不信は、少しは減っていたでしょうね。
今は、民間の葬儀社紹介業が、その隙間を埋めている気がします。
話が逸れてしまいました。
「Frank E.Campbell」社の葬儀料金に関して話を戻すと、
料金の範囲の幅が広いオプション商品がいくつかあります。
たとえば、棺桶(Casket)は、安いもので$700(63,000円)。
高いものは、$175,000(15,750,000円)。果てしなく高いですね。
ちなみに、マイケルジャクソンンの黄金の棺桶が$25,000(2,250,000円)程度と
言われていますから、相当すごい棺桶なのでしょう…
…と思いましたが、実際にそれを見た社長から話を聞いた限り、
それほど凄いものでもないようで。
その他、価格帯が広い葬祭商品には、紙製品がありました。
会葬礼状が、50枚当たり$75~$1500(6,750円~135,000円)。
式次第は、これも50枚当たり$150~$1500(13,500円~135,000円)。
紙の種類や文章内容で、料金が異なってくるのかと想像します。
礼状や式次第にも高い商品があるものです。
1枚4000円強の礼状って、どのようなものなのだろうか。
現物を見てみたい気もします。
また、花装飾も価格の幅が広く、$7.5~$19,000(675円~1,710,000円)。
使った花の規模だけ料金が高くなるということでしょうが、価格帯に幅があります。
このオプションの料金の幅で、総合的に高い売り上げを維持しているのだと思います。
ま、選ぶのは消費者ですからね。
アメリカと比較して、日本の葬儀料金を振り返ってみますと、
紙製品にオプションが少ない気もします。
そもそも式次第を配る葬儀が少ないですし、
会葬礼状自体も料金が上に設定されている高級オプションが少ない。
もう少し、紙製品に料金の幅があっても良いかと思います。
FUNETの追悼文が、少しでもご参考になれば。
それでは。