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2009年12月15日

お客様の所に行くのか、来てもらうのか(工場長)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

結婚式の打ち合わせでは、お客様がホテルや式場に行くことが多い。
一方で、葬儀では担当者が喪家に出向くことが多い。
この差は、祝儀と不祝儀の差なのだろうか。
いや、アメリカでは(先日の高い価格表の葬儀社では)、
お客様に葬儀相談室に来てもらっているそうだ。
なぜ、お客様に来てもらえるのだろうか。

お客様が打ち合わせに来るのと、
担当者が打ち合わせに行くのでは、コストが違う。
担当者が打ち合わせに行く場合、交通費、移動時間の人件費が負担になる。
複数人数で打ち合わせに行くのであれば、負担も上がる。
お客様に来てもらえれば、その負担はお客様が持つことになる。

また、お客様の心理的にも、打ち合わせに足を運ぶか否かで、
「買おうとしている」「買わされようとしている」という差が出る。
同じ葬儀プランのラインナップを見るにしても、
自ら葬儀会館に行って打ち合わせる時は、「買おうとしている」感じがする。
逆に、担当者が宗家に来て打ち合わせる時は、「買わされている」感じがする。

葬儀社としては、お客様に打ち合わせに来てもらう方が、
多くのメリットを享受できる。
しかし、葬儀では担当者がお客様の所に行くことが多い。
遺族は身近な人を亡くして、精神的に負担がある。
わざわざ遺族に会館に来てもらわず、担当者が伺って話を聞くのが、
遺族への配慮…という理由が、何より先にあるだろう。
それに加えて、そもそもお客様に「選ばれていない(突然の出来事だったため、
お客様が葬儀社を選んだとは思っていない)」ということが、
お客様に来てもらえない理由の一つにあるのではなかろうか。

ウェディングでは、ゼクシィを始めとする雑誌の窓口があり、
インターネットでの情報提供も多い。
そこから会場での事前説明会・ウェディングフェアがあって、
概算が提示され考えた末に一つの式場を選ぶことになる。
この「選んだ」「選ばれた」という感覚が、
その後の打ち合わせの流れで企業側に有利に働き、
お客様が会場に足を運ぶ理由にもなる。

葬祭でも、葬儀社からのインターネットでの情報提供は、
当然のように行われるようになっている。
それだけではなく、大手葬儀社を始めとして事前説明会も行われている。
式場の雰囲気や実際のサービスは、インターネットだけでは難しく、
会館に行ってみないとわからないことも多い。
事前説明会は手間も掛りそうだが、「選ばれる」ためには重要な催しだろう。

「選ばれる葬儀社」になるための努力の積み重ねが、
お客様からも足を運ぼうとする雰囲気を生むだろう。
また、「選ばれる葬儀社」になるための努力の積み重ねが、
サービス業として葬儀業界全体が成熟していくためにも、
重要なように思う。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2009年12月15日 09:00

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