元来、アメリカの葬儀社は資格制度であり、フューネラル・ディレクターは皆、
大学で様々な事を学ばなければならない。
また、州によってバラツキがあるかもしれないが、3年毎の更新の義務もある。
彼らが学ぶ必要項目を挙げると、
事業計画・経営管理&実務・儀礼実務・地域との関係・コンプライアンス・火葬
多様性・財務・グリーフ&死別・人材管理・葬儀の意味・自己啓発・生前予約
広告やマーケティング・技術・心理学・衛生学・細菌学・解剖学・法学・遺伝学
経営学・宗教学・民俗学・伝統的な葬法・・・etc
非常に細かく多岐にわたっていて、日本の葬儀社とは単純に比較しがたい。
SCIの教育の基本はネットである。
人と接することの大切さも説きながら、同時にテクノロジーも大切にする。
簡単に言えば「接遇」と「テクノロジー」の両立だ。
しかし、彼らの接遇は単純な「姿・形」ではないということが理解できるだろう。
SCIは基本訓練とプロフェッショナル養成のためのディグニティ大学を持っている。
それはオンラインを使っていて、全従業員がパスワードを持ち、
24時間自由に勉強が出来るシステムだという。
勉強のコースは1,500以上のコースがあって、コースごとの認定書を発行する。
コースは2003年頃から徐々に今のような状態になったという。
また、地域ごとのマネージャーは自分のスタッフの終了過程を閲覧することが出来、
各スタッフの進捗状況を把握することも可能である。
この進捗状況は、ベースアップとも連動しているらしく、オンラインでの学習は、
そのまま愛社精神にも繋がっているのだと言っていた。
フューネラル・ディレクター(米国の葬祭ディレクター)だけが勉強をするのではなく、
デスケアに参画するスタッフは、それぞれのレベルでネット勉強するらしい。
彼らの言を借りれば「働く者の文化を作る」ことらしい。
それぞれに、パーミッション(認定書)も発行して、
モチベーション維持に努めているとか。
そして、膨大な数の顧客に対しては、全体の満足度を様々な分析で図り、
アフターケアのスピードと緻密さに磨きをかけ、問題解決のためのカテゴリーを有し、
と・・・専門スタッフが24時間目を光らせている。
SCIは、自社の従業員のためだけじゃなく「葬儀大学」を下部組織に持っているし、
同時に世界の葬送民族博物館も併設してあった。
(NATIONAL MUSEUM of FUNERAL HISTORY)
日本の宮型霊柩車なんかも展示してあるのだが、所有の霊園の様子も含めて、
最後にパラパラ動画でご覧ください。
霊園には、造花が圧倒的に多い。
日本でも最近は、祭壇にまで造花を使っているケースが目立つ。
しかし、ここで朗報だが、SCIを始めとして向こうの葬儀社さんは、
日本の花祭壇の技術を非常に高く評価してくださっていた。
繊細で緻密、ダイナミックで故人を偲ぶ一つのツールとして素晴らしいと。
この他、日本には胸を張れる部分が多いことも実感した。
その辺りの話は後日。