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2010年01月26日

海外視察研修⑭ ニューヨーク (井手一男)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

ニューヨーク二日目の朝。
専用バスに乗って、世界一の高級葬儀社「F.E.キャンベル」へ向かう。
世界一料金が高い葬儀社がどんなものか、と期待が膨らむ。
その途中、高級アパート「ダコタハウス」の前を通る。
1980年12月20日、ジョン・レノンが、ダコタハウスの玄関を出たところで、
自身の熱狂的なファンに射殺された。
犯人は逃げもせず、堂々と「ライ麦畑でつかまえて」を読んでいたらしい。

この高級アパートは、ニューヨーク独自の分譲形式らしく、
入居のための審査が厳しくて有名である。
お金持ちなら誰でも入れるわけではないらしい。
トム・クルーズは合格、マドンナやポールマッカートニーは拒否されたらしい。
入居審査の合否は、その人の人生というか、どのような生き様かが反映するらしい。
ある程度の人格者でなければならないというわけだ。
(アメリカという国の複雑さが滲み出ている)

我々を乗せたバスが「F.E.キャンベル」の路上で停車した。
当たり前だけど、駐車場なんてあるわけない。
ここは、ニューヨークだぜ。
バスはクルクルと周回していなくてはいけないのだ。
この会社、SCIグループに属しているのだが、価格体系、社員教育やトレーニング等、
まったく独自の道を歩んでいる会社でニューヨークのど真ん中にある。
訪ねてみると、特に高級感が感じられる建物というわけでもない。

地下にエンバーミング施設、1Fに式場(200人程度)と事務所、
2Fには棺の展示スペースがあり、一番高い棺で1400万くらいした。
社長が鼻をグズグズ言わせながら案内してくれ、すべてオーダーだから高い
と言っていたが、どれも途中の過程までは同じはないのか。
更に、「まさか皆さんは触ったりはしていないでしょう?指紋が付くから」
みたいなジャブを噛ましてきたけど、なんか低俗な感じが見え隠れしていた。
(私が素直じゃないからです)
それとも社長の冗談に我々がついていけなかったのか。

そして豪華な造りのミーティングルームが1部屋、
2F~3Fには霊安室兼お別れの出来る部屋が4部屋、
4Fにも霊安室兼お別れの出来る部屋が4部屋あった。
エレベーターが通常のお客様用(我々もこれを使用)と、
特別にVIP用のエレベーターと2基稼働していた。

1Fの式場はチャペル風だが十字架はなく、全ての宗派に対応しているのが、
人種のるつぼと言われるニューヨークらしい。
上流階級の人達を主な対象として葬儀を執り行っているらしく、
どの部屋も流石に豪華な調度品の数々・・・お金に糸目はつけません。

続く。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2010年01月26日 09:00

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