この会社は抜群の知名度があり、地域一番というよりライバル不在の一人勝ちだ。
かなり特赦なケースなのだが、圧倒的な存在感を維持するために、
それだけの人脈やノウハウを有していて、それを大事にするからなのだろう。
一般の葬儀社とは、進むべき道や方針や戦略が違ってくるのは当たり前である。
1898年、アパートメントの在住者を対象にして、自宅葬儀から葬祭ホールへという
発想で設置されたのが切っ掛けらしく、当初から全宗派向けの葬儀を担当し、
俳優のルドルフ・バレンチノの葬儀を担当してから富裕層に定着したと伺った。
ルドルフ・バレンチノはサイレント映画時代のイタリア系の俳優で、
31歳という若さで、胃潰瘍の術後の経過が思わしくなくて命を落とした。
凄いのは、その葬儀で10万人のファンが集まり、後追い自殺まで出たという。
うーん、知らなかったぜ。(日本人だからね)
しかし、どういった繋がりから、こんな大きな仕事が舞い込んできたのか。
私なんぞは下世話なものだから、イタリア系といえばマフィアとの繋がりが・・・
などと安易に想像を逞しくしてしまう。(ゴットファーザーの観過ぎだ)
でも、訪れたチャンスをものにしたのは凄い。
以降、大きな仕事は「F.E.キャンベル」で、という流れになったらしい。
そこで、キャンベルのエンブレムを見て欲しい。
この下の文字はヘブライ語で書かれている。
意味は「決して忘れない」だが、これは旧約聖書の一説にある文章と同じだ。
旧約聖書はヘブライ語、新約聖書はギリシャ語で書かれている。
別の言い方をすれば、神との古い契約(旧約聖書)は「ヘブライ語」で書かれ、
神との新しい契約(新約聖書)は、「ギリシャ語」で書かれているということだ。
その他の違いは、イエス誕生以前か以後かということである。
そして旧約聖書は、ユダヤ書が基になっていると聞いている。
ヘブライ語を使用するのは、一般にユダヤ系だろう。
私も案内をして下さった社長の容貌が、そのように見えたのは偶然ではないようだ。
例えば、ナオミ・キャンベルのナオミは日本人みたいな名前と思われているけど、
「ナオミ」は、ヘブライ語で書かれた旧約聖書の中に出てくる女性の名前だ。
勿論、彼女はイギリス人だけど・・・ユダヤ系イギリス人ではないかと思う。
キャンベルさんだって立派なアメリカ人だ。
ただ、ここで申し上げたいことは、彼らは商売が抜群にうまい!
ユダヤ系の人々の優秀さは、世界に知れ渡っている。
余談だが、最近では珍しくもないISO(国際標準化機構)の取得。
ISOは、主に国際的に通用する規格やサービスなどの基準を制定する国際機関。
私もISOの認証機関であるJICQA(日本検査キューエイ株式会社)に所属し、
葬祭に関する審査員をやらせていただいているが、
伝え漏れ聞いた噂話によると、ISOはヨーロッパから始まり、
その内容は船の積み荷の保障だったらしい。
船旅が続く間に、国自体がなくなることもあって(主に戦争)、
第三者機関の保障として発展したと聞いている。
始めたのは、ユダヤ人らしい・・・と。
この日も数件仕事が入っているらしく、ひと通り視察して会館を後にした。
多忙だったのだろうが、何か軽くあしらわれた印象がなくもない。
しかし、やったー、これで視察は終わりだ。
残りは1日と半分・・・よしっ!
続く。