京都は、関西での仕事帰りに立ち寄ることが多いです。
駅のいつもの荷物預かり所にスーツケースを預けて、
ガイドブック「たびまる京都」を持つと旅人になります。
移動には地下鉄とバスを乗り継ぎますが、町中を歩くことも多いです。
1日中歩くと、すぐに2万歩くらいにはなります。
北野天満宮は菅原道真公が祀られている神社です。
学問の神様として有名です。
「東風吹かば匂いおこせよ梅の花あるじなしとて春を忘るな」の歌にあるように、
早春には境内に紅梅白梅2000本の梅が咲き乱れます。
この日の前日、関西地方はかなりの風が吹きました。
この時期にだけ開放されて入れる「梅苑」の梅はかなり散っていましたが、
遅咲の紅梅は見事でした。
「梅苑」の奥にある史跡「御土居」まで下りていきました。
谷間になっていて、そこまで行くと人はほとんどいません。
紙屋川という小さい川が流れていて赤い橋がかかっています。
そこに立つとせせらぎの音だけが聞こえていました。
静かな本当にいい場所で、しばらくたたずんで深呼吸をしました。
北野天満宮を後にして、次に京福電車で向かったのは「御室の仁和寺」です。
JR東海の桜満開のポスターになっている場所です。
もちろんまだ桜は硬いつぼみでした。
桜の花が咲いたときのことを想像するだけでピンク色が見えてきて鳥肌がたちました。
このあたりは「妙心寺」や「竜安寺」などがある、風情のある場所です。
そして京福電車の終点四条大宮から京都駅までのウォーキング途中、
偶然通りがかったのが、浄土真宗本願寺派の本山「西本願寺」です。
大きなお寺の中で瞑想をするのが私は好きで、思わず入っていきました。
御影堂に入ってしばらくそこにいると、
ガイドさんに伴われて大勢の人が入って来ました。
よく聞いてみると今から帰敬式(ききょうしき)が始まるとのことです。
帰敬式とは「おかみそり」の儀式です。
30人位の門徒の方々が、三帰依文を唱えておかみそりを受けていました。
私は思わず一番近い場所に移動して食い入るように見ていました。
目の前で行われる厳粛な儀式に心が落ち着きました。
「おかみそり」で門徒の方々やご門主をサポートするお坊さんたちの動き、
畳の上を歩く所作、立ち方座り方・・・。見事でした。
早春の京都の旅は、静かな時間が流れていました。