「遺言・相続」は、最近の葬祭の関心事なのでしょう。
同時期のダイヤモンド社の雑誌でも、特集の一つとして組まれていました。
昨年の葬祭ディレクター技能審査の実技筆記でも、
遺言に関する問題があり、受験者の頭を悩ませていたと思います。
実際の葬儀社における打ち合わせや相談などでも、
「遺言・相続」関連のことは多いのでしょうか??
気になる所です。
さて、東洋経済の葬儀特集で、
気になった点を3点ほど書きたいと思います。
① 葬儀における「物理的変換」「文化的変換」「社会的変換」
山田慎也氏のインタビューで、
『葬儀は「物理的変換」「文化的変換」「社会的変換」の3局面がある』
と分類して述べていたことが興味深いものでした。
「物理的変換」とは、遺体の変化のこと。
「文化的変換」とは、死の意味付けのこと(宗教儀式、引導)。
「社会的変換」とは、社会的な役割を遺族が引き継ぐこと。
近年は、「文化的変換」と「社会的変換」の意味合いが薄れてきた結果、
葬儀の簡略化が進行している、という見解。
直観的に納得できる内容で、
一度この人の著作を読んでみたいとも思いましたが、価格が高いので悩み中。
著書は、『現代日本の死と葬儀―葬祭業の展開と死生観の変容』。
…やはり少し高いか。
② 葬儀の「簡略派」と「こだわり派」
主に、都市部での葬儀事情になるのでしょう。
葬儀社や葬儀相談所への問い合わせの内容が、
『式はやりたくないが、シンプルに温かく見送りたいという要望が多い』
『約7割が火葬式(直葬?)が占める』ということ。
経済的要因もあるでしょうが、簡略な葬儀が増えているという内容。
一方で、湯灌やメイク(エンバーミング)をオプションで付ける、
こだわり派の葬儀を出す人もいるそう。
それって、こだわりなのだろうか…。
③ 「担当者が変わらない事」
これは、『良い葬儀社を見分けるポイント』として書かれていたことです。
遺族が、打ち合わせの内容を引き継いでいくことは大変ですからね。
先日、グリーフケアの研修を受けた時も、「担当者が変わらない事」は、
遺族の負担を減らすことに重要なことと聞いたので耳に残っていました。
(労働基準法との兼ね合いもあり、難しい問題ではあると思います)
以上です。
この他にも、特に「遺言・相続」に関して為になる情報満載の東洋経済の特集でした。
興味のある方は、一読をおススメしたい一冊です。