竜樹(ナーガールジュナ)は、仏教界が生んだ大天才と言われる人物で、
慈悲の仏教と言われる大乗仏教の母かもしれぬ。
もしかしたら、釈迦の初期仏教を思い切り、思い切りこれでもか・・・と捻じ曲げて、
人々に慕われた釈迦の名前だけは残しつつ、本来の仏教を大転換させた・・・ようだ。
そうして大乗仏教の方向へ導いた、云わば、仏教の救いの「神」なのかもしれぬ。
確かに、慈悲の大乗仏教はある意味拡散を見せた。
日本に伝播する以前の話だ。
天才の「捻じ曲げ」振りは、釈迦が説いたとされる次の一説・・・
「万物は流転し、関連しあっている。何一つとして永遠に不変なものはない。
それが私のダルマ(法)の基本である」・・・を、全ての物が不変ではないなら、
釈迦が説いたダルマ(法)もそうであろう、と一休さんのトンチのような事を言って、
難解な言葉で組み立てた力技そのものの理屈で、大乗仏教へ舵を切ったのだ。
(釈迦に対する尊敬の念はあるのだろうか)
つまり、一切は「空」なのだと。
これが釈迦の思想を、新しい視点で見せたと言われている。
この「空」というのは中国の訳だが、当時中国にはゼロの概念が無い。
(ゼロはインド人が発明したと言われている)
だからとても困った・・・そこで生み出されたのが「空」である。
「色即是空」とは、「(色)物は即ち(すなわち)是(これ)ゼロなんだよ」ということだ。
だったらお経の時にも分かりやすくそう言ってよ。
小難しく呪文のように読まずにさあ、参列者に分かりやすくやりましょうよ!
日本の葬式仏教は、儒教の影響を強く受けた大乗仏教である。
口当たりが良くなるように言えば、日本の仏教は尊い慈悲の大乗仏教である。
どちらも意味は同じだ。
そして全ての物は、とどのつまりゼロ(空)だというのだが、
それでも仏教の本質は「慈悲」にあるのだ、ということで葬式では大乗仏教大流行り。
ならば、私も言おう。(よっ、カッコいい)
竜樹の中論(難しくてとても読めない)も同様に、慈悲の大乗仏教も同様に、
不変ではないのだよ・・・と。
(こりゃ、大分怒られるわ)
これからの葬式仏教、不変でないなら・・・どうなる?
だってお釈迦様がそう仰っておられるのですから。