今回追加される文字をいくつか見てみると、
ここ数年んお不況の世論を反映してか、やや気持ちが下に向く漢字が多いでしょうか。
「鬱」 、「毀」、「怨」、「妖」など。
また、「舷(げん)」 や「麓(ふもと)」といった漢字は、
常用漢字なのに読むのも難しい字ですね。
常用漢字は、義務教育の国語で読みを習う漢字になるので、
小中学生の皆さんは、大変でしょう。
ちなみに、訃報の「訃」も、
今回常用漢字に入るとのことです。
いままで常用漢字ではなかったのですね。
びっくり。
しかし、葬祭以外でしたら、あまり馴染みのない漢字でしょうか。
一方で、削除される5つの漢字も見てみましょう。
1.勺(しゃく)・・・合の10分の1、升の100分の1と定義される。
2.錘(すい) ・・・はかり、おもりのこと。
3.銑(ずく) ・・・高炉や電気炉などで鉄鉱石を還元して取り出した鉄のこと。
4.脹(はれる)・・・「腫れる」と同様の意味。「顔が-れる」など。
5.匁(もんめ)・・・尺貫法における質量の単位。3.75グラム。五円硬貨の重さ。
昭和の懐かしい匂いがしてきそうな漢字です。
かつて、仕事などで使われていた漢字でしょうね。
今回の5字の漢字が常用漢字でなくなるということは、
その字に関わる仕事や歴史が、後世に伝わりにくくなるということでしょう。
そう考えると、少し寂しい気もします。
ただ、常用漢字の整理することは、言葉の掃除というか、
より効率的な体系にするということなのでしょう。
まさに、言葉は生き物。
以前にも、日常生活から消えていった文字は多数あると思います。
古くは万葉仮名、明治時代には変体仮名、
また漢字も多数消えていったことでしょう。
消えていったことを伝える人は少ないので、
興味を持って調べようとしないと、知ることもありません。
そして、現代には現代の言葉しかない。
そう考えると、現代の人が昔のことを考える、
「歴史」というものを正確に理解するということは、
なかなか難しいことだと実感する次第です。