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2010年07月28日

坊主デイズ(工場長)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

「坊主デイズ」というのは、
臨済宗のお坊さんの出家修行の様子を描いた漫画です。
実際に入門した方(作者の兄)をモデルとしているので、
僧堂における修行の様子や生活がリアルに伝わってきます。
お坊さんの生活に疎い私にとっては、「へぇ~」と思うことが満載。
気になった修行の1つには、「托鉢」がありました。

托鉢とは、出家者の修行の1つで、信者の家々を巡り、
生活に必要な最低限の食糧などを乞い、信者に功徳を積ませるもの。
形態としては、
家ごとに門前でお経を読み喜捨を乞う「軒鉢(けんぱつ)」と、
歩きながら鈴を振る等をして托鉢を知らせ、
供養を受ける「連鉢(れんぱつ)」があるそうです。
「連鉢」は、街中で何人かで10メートルほどの間隔をあけて、
「ほーう。ほーう。」と声を掛けて行います。
(「ほーう」は、仏の教えである「法」のこと)


(映像で見ると、わかりやすいですね)

托鉢は「乞食行」とも言いますが、食を乞うて頭を下げることで、
不要な自我や虚栄心を捨て去っていくことができる…というのが、
筆者が描く托鉢の修行の目的です。
禅宗では、座禅・作務と並び、大切な修行とされているそうです。
ちなみに、往来の激しい交差点に直立して移動せずに喜捨を乞う人がいますが、
あれも托鉢の一つで、「辻立ち(つじだち)」と言います。

興味深いのは、
托鉢は、道路交通法に基づく警察署の道路使用許可は不要ですが、
各宗派の管長が発行する「托鉢免許証」が必要で、
一人で托鉢をするには、その携帯が義務付けられているという点。
「托鉢免許証」は登録番号で一人一人が管理されていて、
申請の際は、保証人も必要ということです。
不謹慎な見方をすれば、着衣や道具があればアルバイトでも真似できそうですが、
免許制にすることで、宗教目的以外の托鉢(物乞い?)は、
禁止されているということですね。

古代インドの宗教では、出家者は最低限の生活必需品しか所有しないほか、
修行に専念するために(農業などの)生産活動には従事しません。
したがって、出家者が生存するためには、
最低限の食料を出家者以外から調達する必要がありました。
そうした状況では、托鉢は修行僧と生活者との交流の場の一つとして、
機能していたようです。
今は、どうでしょうね。お互いに、関心が薄いでしょうか。

…気付いたら托鉢のことばかり書いてしまいましたが、
「坊主デイズ」には、他にも座禅や禅問答などの修行の様子が描かれています。
ご興味のある方は、漫画ですし読みやすいですよ。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2010年07月28日 08:30

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