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2010年07月30日

日本語の奥深さ 2 (井手一男)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

日本語における仏教の影響力は底なしで、そのことについては色々と書いてきた。
そして「日本人の知らない日本語」に書かれていた、
室町時代の宮中の女房たちの「ギャル語」には笑ったが、
よくよく考えてみたら、言葉なんだから様々な影響を受けて変化するのは当然だ。

では、任侠言葉が一般化した例をあげると、
「ピカイチ」・・・花札の中に一枚だけ存在する「光物」、点の高い札のこと。
「シカト」・・・花札の鹿の絵がそっぽを向いているのと、点数が十点、鹿十(しかと)。
やはり日本人、花札賭博の影響力は軽くはない。
(炭鉱の時代を思い出すぜ)

次に、これは酷いという例を。
鮪と書いて日本では「まぐろ」と読みます。
寿司屋に行けば、解体ショーなんぞやってますわな。
ところが本家本元の中国へ行けば、この鮪と言う字は「まぐろ」ではありません。
キャビアを生む「チョウザメ」なんです。
どうしてこうなったかと言えば、中国の本を解読しながら予想していくので、
デカイ魚で珍重されるということは・・・「まぐろ」となったらしいのです。
他には、鮭は日本では「さけ」なのですが、本場中国では「ふぐ」なんです。
日本に漢字が入り始めた頃、推測で決めるからこんなことになるのだけど、
どこかの国の政治のように、自分の想いだけで突っ走ってはいけません。
結局皆さんが苦しむことになります。
口が軽すぎる政治家はダメダメ!ですね。
ついには庶民が、といっても千年後の庶民の話ですが苦労します。
(誰も苦労してないって、そもそも知らなかったし・・・)

今使われている日本語にしても、そのルーツは様々で、
「~でござる」は武士の言葉。
「~でございます」は商人の言葉。
「~だ」は庶民の言葉。
そして「~です」を使っていたのが、所謂、水商売のお姉さんたちだったようです。
現在、さすがに武士の言葉は浸透していませんが、それ以外の言葉は生きています。
水商売の影響力の大きさがうかがえますな。
「~ざます」は、元来、花魁(おいらん)の言葉だったざますよ。
花魁と言えば身請け先が上流階級ですから、だから今でもそんな言葉を使うざます。
そして「~であります」という軍隊言葉。
これは山口県の方言が全国に広まったらしいのです。
維新で重要な位置を占めた長州の人達が軍の上層部にいたからなんだって。
「オイコラ!」は警察官が威張っている感じがあるけど、これも本来は鹿児島弁。
訳すなら「ちょっと君」程度らしい。
「ビンタ」も「平手打ち」という意味だけど、これも鹿児島弁で「頭」。
なんでそうなったのかはナゾですねえ。

今我々が標準語と思っているものも、ルーツを探れば面白い。
標準語に関して言えばNHKのアクセント辞典。
今度は、それについて書きましょう。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2010年07月30日 08:30

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