主人とは以前から「お墓の形はどうするか・・・」なんて色々考えていました。
ピアノの形がいいとか、ドラムの形にしようとか、
五線譜を書こうとか言っていましたが、
菩提寺もあるのであまり派手なことも出来ず、
横型のシンプルなものに落ち着きました。
現代では「お墓を持たない」という考え方もあります。
たまたま私の嫁ぎ先には菩提寺があって、お寺とのお付き合いもありますが、
実家の両親には菩提寺は無く、父のお骨の落ち着き先を決めることだって、
随分エネルギーがいりました。
お墓って難しい問題です。
中野にある大正15年に建てられたお墓はもうだいぶ古くて、
なぜか傾いていました。
納骨カロートが無いタイプのもので、骨壷は直接土に埋められていました。
これにはちょっと驚きましたが「土にかえる」という意味では、
これが本当なのかも知れません。
お墓を壊す日に、私たちは立ち会いました。
まずは住職に、古いお墓から魂を抜いていただきます。
お墓の上の部分をはずします。
土台と墓石の間に「樒(しきみ)」の枝が入り込んで、
こんな形になっていました。これがお墓の傾きの原因でした。
困った「樒さん」です。
次に土台を壊します。
そして、いよいよ骨壷を掘り出しました。
92歳になる姑は、この下に「骨は六人分位入っているはずだ」と言いました。
お寺に尋ねると「五人分ではないか?」とのことでした。
実際には、三人分の骨壷が出て来ました。
中野でも昭和のはじめまでは土葬だったそうなので、
最初の頃に亡くなった二人は土葬だったようです。
本当に土にかえったのですね・・・。
着工後は、2週間程で新しいお墓が出来上がりました。
今度はお骨も、地上式カロートに仲良く収められました。
私も、いづれはここに入ります。
東京は7月がお盆でした。
夏は先祖の魂と向き合う大切な季節です。