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2010年07月26日

お墓の改修(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

昨年の秋、私の嫁ぎ先のお墓を改修しました。
9年前に舅が亡くなった時に改修の話が出ましたが、タイミングを逃しました。
もちろん主人の兄弟たちにも色々とご相談やお願いをしながらの改修でしたが、
いざ、直すことになると、意外とトントン拍子に話が進むものです。

主人とは以前から「お墓の形はどうするか・・・」なんて色々考えていました。
ピアノの形がいいとか、ドラムの形にしようとか、
五線譜を書こうとか言っていましたが、
菩提寺もあるのであまり派手なことも出来ず、
横型のシンプルなものに落ち着きました。
現代では「お墓を持たない」という考え方もあります。
たまたま私の嫁ぎ先には菩提寺があって、お寺とのお付き合いもありますが、
実家の両親には菩提寺は無く、父のお骨の落ち着き先を決めることだって、
随分エネルギーがいりました。
お墓って難しい問題です。

中野にある大正15年に建てられたお墓はもうだいぶ古くて、
なぜか傾いていました。
納骨カロートが無いタイプのもので、骨壷は直接土に埋められていました。
これにはちょっと驚きましたが「土にかえる」という意味では、
これが本当なのかも知れません。

お墓を壊す日に、私たちは立ち会いました。
まずは住職に、古いお墓から魂を抜いていただきます。
お墓の上の部分をはずします。
土台と墓石の間に「樒(しきみ)」の枝が入り込んで、
こんな形になっていました。これがお墓の傾きの原因でした。
困った「樒さん」です。

次に土台を壊します。
そして、いよいよ骨壷を掘り出しました。

92歳になる姑は、この下に「骨は六人分位入っているはずだ」と言いました。
お寺に尋ねると「五人分ではないか?」とのことでした。
実際には、三人分の骨壷が出て来ました。
中野でも昭和のはじめまでは土葬だったそうなので、
最初の頃に亡くなった二人は土葬だったようです。
本当に土にかえったのですね・・・。
着工後は、2週間程で新しいお墓が出来上がりました。

今度はお骨も、地上式カロートに仲良く収められました。
私も、いづれはここに入ります。
東京は7月がお盆でした。
夏は先祖の魂と向き合う大切な季節です。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2010年07月26日 08:03

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