「話し言葉」が誕生し、情報の伝達など様々な必要性から
「書き言葉」を生み出すまでに、気が遠くなるような年月が掛かっている。
恐らく奈良から平安時代にその崩芽があり、ある程度確立するまで数百年は経過。
これは中国語を借用語として用い(出来てる言葉が便利だから)、
それも仏教との関連が非常に深い。
そして、武士は武士言葉、商人は商人の言葉、庶民は庶民言葉、
女性は女性言葉で住み分けしていたが、人々の交流が盛んになり、
尚且つ、日本全国が<話し言葉>で統一する必要性が高まってきた。
書き言葉としては、全国共通の文字は存在したのだけど・・・瓦版・新聞・小説など。
そんな空気の中、第一次世界大戦が終結しその戦で、
情報戦の武器として活躍したラジオを平和利用することとなる。
今から85年前のラジオ創世記の僅か数年前のことだ。
85年前から、NHKが話し言葉に関して様々な模索を繰り返してきた。
共通語から標準語へという取り組みである。
時代の中で変わりつつあるものもあれば、不変のものもある。
司会者必携のアクセント辞典はNHK以外からの出版はないと思ったが・・・。
(私が知らないだけかもしれない)
民放は自局内での小冊子はあるらしいが、対外的な出版はしていないはず。
そこで一つ言いたいことがある。
葬祭ディレクター技能審査対策の講座をやらせていただいているのだけど、
(科目は司会だけではありません、実技筆記も接遇も、果ては学科試験対策も)
「享年」と言えば、葬祭ディレクター技能審査では数え年だと言っている。
言っていると言うか、何故そういうのか理由が不明だけど・・・。
広辞苑によれば享年は『死んだ時の満年齢』だし、NHKも同様に満年齢なのだ。
葬祭だけが特殊な読み方をするならば、仏教の数え方の一つである(0がない)
母体に誕生した瞬間・・・いつかは不明なんだけど・・・が1。
普通に生まれてきたとして、この世に誕生したら、厳密に言えば1歳とほぼ10ヶ月。
つまり数え年よりも多くなるのだ。
因みにNHKは社会体制が変われば考え方も変わるので、
昭和25年の暮れだったろうか、戸籍法の改正に伴い享年をそれまでの『数え年』から
『満年齢』に変えたと思うが違っているだろうか。
私の考えは、実はNHKに従うものではないのだけれど
・・・それはセミナーで詳細に語っております。
どうしてこんな風になったのか不明だが、受験する側は釈然としないだろう。
葬祭ディレクター技能審査だけが、広辞苑やNHKとは違う理由がわからないのである。