結論から書くと、おそらく「チサン」派が正しいでしょう。
真言宗智山派のホームページのURLは「chisan.or.jp」となっていますし、
ウィキペディアにも「チサン」とフリガナがあります。
さらに「智山教化センター」に電話で問い合わせたところ、
「チサンです」と即答でした。
以上を勘案すると、ほぼ確実に「チサン」と濁らずに読むのが正しく、
葬祭ディレクター技能審査の実技試験(接遇・司会)において、
「智山派」が出たら「チサン派」と読んでください。
ハイ、一件落着。
…と、質問者に即答出来れば良かったのですが、
さらに調べてみると一つ困ったことが起きました。
なんと葬儀概論が「チザン派」だったのです。
そうか、質問者は葬祭ディレクター技能審査の受験生なので、
試験において「チサン」か「チザン」か、どちらが正しいのか?という
趣旨で質問しているのかもしない。(いや、きっとそうだろう)
それは難しいですわ…。
むしろ葬祭ディレクター技能審査協会に聞いてください。
(私からは、電話しにくいです…スミマセン)
「葬儀概論」は、葬祭業に関わるものにとって、
基本的な葬祭情報が載っている教科書のようなものだとは思います。
限りなく正しいことが書かれていると思います。
しかし、稀に正確でない記述があったりするのも事実です。
(具体例は省きますが)
智山教化センターの方に、失礼を承知でもう一つ質問をしました。
「『チザン派』と、濁って読んでも間違いではないのでしょうか?」と。
「………ダメでしょう。」
「スミマセン(私)。」
ということです。
ですので、もし私が受験生だったとして、「智山派」が出た場合は、
「チサン派」と読んだ方が、自分自身に納得できるでしょうか。
(もし、減点されたとしても)。
ま、試験は試験。現場でより質の高い葬儀をするためのものだから、
1点くらいの減点なんて関係ねぇ、と割り切れれば良いですけどね。
しかし、1点差で合格できなかった…という人も毎年何人か聞きます。
この1点が、大きいのだよなとも思います。
たかが試験、されど試験。
1点のためにどこまで拘るか、なかなか難しいですな。
PS.
尚、余談ですが、「智山派」に関する名前の由来に関して。
これも「智山教化センター」の方に聞いた話なのですが、
一説によると…と前置きをされながら、
「江戸の同時期に、真言宗の豊山派(ぶざんは)と智山派ができた。
豊山派の総本山は長谷寺で、その山号「豊山」から豊山派と呼ばれるようになった。
一方、智山派の総本山は智積院(ちしゃくいん)で、その山号は、
五百佛山(いおぶさん)である。豊山派と同様に山号を宗派にすると、
「五百佛山派」となるが、これが呼びにくいから、
智積院の「智」の一字を取って、智山派(ちさんは)と呼ばれるようになった」
…のではないか、とのこと。
あくまで一説ということですので、史実かどうかはわかりません。
ただ、本山の宗務庁に伺ってみましても、
詳細な歴史は不明という回答でした。
今のところは、この説が最も有力なところです。