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2010年11月11日

父の「合同記念会」(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

父が亡くなって早いもので8カ月が過ぎました。
先日、父を看取った病院で、昨年の10月から今年の3月までに亡くなった
患者の「合同記念会」がありました。
キリスト教の精神を持つ病院なので、このような形になりました。
8月に招待状をいただいた時に、私はすぐに行く気持ちになりました。
母は少し考えていたようでした。

遺族がこのような場所へ行くには、心の準備が必要です。
亡くしてすぐに招待されたら、多分行けなかったと思います。
死後4か月位までは、私たちにとって父の死は特別なもので、
他人と合同で何かをしたいとは思いもしませんでした。
でも日にちが過ぎる内に、少しずつ気持ちの区切りが出来ていったようです。
当日は、病院の隣にある教会で、119人の亡き人々を記念しました。
参加した遺族は極一部の方でしたが、そのどなたも、
ふっきれたような晴れやかなお顔をしていたような気がしました。

母は父の遺影を大事に抱えて祭壇に置きました。
この遺影は、父の葬儀の時に私のリクエストで弊社の工場長が作ってくれた、
横版の遺影を縮小したものです。
葬儀は無宗教葬でしたので、父の遺影をおしゃれにしたかったのです。
横版の遺影は他の遺族には無くて、とても目立っていました。
作る時には、工場長は大変だったと聞きました。
でもこの遺影に私たちは大満足しています。
この気持ちは悲しみを癒す大きな力になりました。「ありがとう、工場長!」

この病院での父との最後の日々は、ホスピタリティにあふれた時間でした。
私たち遺族は、その日々を暖かいなつかしい気持ちで振り返ることが出来ます。
だからこそ、こうして父の死後も看取った病院に帰って行けるのでしょう。
葬儀社でもお客様のアフターサービスに、
「思い出の会」を開催する所が増えています。
アフターサービスでお客様を喜ばせるには、
まずはそれ以前の葬儀全体で喜んでいただくことが先決です。
お客様は、葬儀の今を満足することなくして、
その先の満足は無いということだと思います。

 

父の「昇天会」を終えてまた一つ心の区切りが着きました。
多分、季節を一めぐりするまでは、なかなか元のようにはなれないと思います。
今、日々の中で少しずつ悲しみを癒している私たち遺族です。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2010年11月11日 08:19

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