さらに今、「ウィキリークス」という内部告発サイトも注目を集めている。
イラク駐留の米軍ヘリが、カメラマンを含む民間人を銃撃、殺害した内容の
内部告発ビデオ(2007年)は、日本のテレビでも何度も放送された。
その他、アフガニスタン駐留米軍の機密文書も、約9万2000点公表された。
軍のためにインターネットを開発したアメリカが、
インターネットによって脅威に晒されるという皮肉な状況だ。
このウィキリークス、各国の機密情報を晒しまくっている上、
資金源も怪しいことから今は全世界の敵となっている。
創始者は国際指名手配を受けて、逮捕された。
ウィキリークスは内部告発を建前としながらも、
機密情報漏洩の色が強いので線引きが難しい。
「社会的機能」になるのか、「犯罪」になるのか、
際どいラインが今後議論されることになるだろう。
似たような状況は、かつて「ユーチューブ」でもあったように思う。
今や世界一の動画共有サイトになっているが、
昔は(今もか?)ドラマやアニメなどの不法コンテンツの巣窟となっていた。
それに伴って、ユーチューブというサイト自体が、
著作権に関わる犯罪幇助になるかどうかの議論もあった。
ユーチューブ側の著作権保護に対する献身的な取り組みが評価され、
現在では健全な「社会的機能」として運営されている。
さらに遡ると「2ch」もそうだろう。
誰もが情報を書き込める掲示板サイトは、
イメージダウンに繋がる名誉棄損サイトという一面もあった(今もか??)。
多数の裁判を抱えていた(そして無視している)運営者が、
色々と背負っていたから成り立っていた背景もある。
インターネットが発明されて以来、
情報共有するシステムづくりは、技術があれば簡単にできる。
しかし、今までの制度や社会と折り合いをつけ、
新しい「社会的機能」になるまでは、人が議論する期間が必要になってくる。
その結果、反社会的と判断されるものもある。
ファイル交換ソフトである「winny」の開発者は、犯罪幇助の有罪判決を受けた。
技術的には世界に誇れるものだったらしいが…。
葬儀業界に視点を落としてみると、インターネットが一般的になって、
ホームページで情報を公開する葬儀社が増えている。
一部の企業ではホームページで見積もりができたり、
葬儀費用が詳細に公開されるようになった。
「祭壇一式」のように料金をを「機密」にする内容では、
なかなか信用されにくい時代だろう。
料金だけでなく、社長日記・社員日記などで、
葬儀、葬儀社の日常の様子なども共有されつつある。
情報は共有されるべきというのが、世の中の流れだ。
5,6年前まではホームページを持たない葬儀社が半数以上の状況だったが、
葬儀業界もITの波に乗って急速に変化している。
一方で、葬儀社には施行の個人情報など機密にしなければならない情報がある。
今は、それらの情報を守ることを意識しなければならない時代かもしれない。
現在のインターネット時代は、どこまで情報を共有できるかを求めてくるだろうから…。