要件はご挨拶と研修案内でしたので長居はしませんでしたが、
世間話をしていて、見習うべきだなと思うことが一つありました。
それは、「客単価を上げようと意識し、実践している」ことです。
客単価を上げるために実践していることは、
顧客の選択肢を増やす(商品の充実)ということです。
葬儀の平均価格が下がっている時代、
客単価が下がったとしても仕方のない事です。
大手の葬儀社ほど、客単価が下がっている売上の数字に、
頭を悩ませているのではないでしょうか。
今回訪れた葬儀社では、商品ラインナップを充実し、
遺族に選択肢の幅を持たせることで、客単価を上げる努力をしていました。
例えば、会葬礼状には3つの選択肢がありました。
① 外注業者で発注して作るオリジナル会葬礼状
② 自分たちで制作するオリジナル会葬礼状
③ 定型文の会葬礼状
価格は「オリジナル会葬礼状」(外注)が高いのですが、
高くともオリジナル会葬礼状を選択する遺族は少なくないそうです。
遺族が価値をおく商品を提供すれば、売上も上げられます。
FUNETの、自作できるオリジナル会葬礼状を利用する場合もあります。
定型文のみの会葬礼状が使われることもあります。
会葬礼状だけみても、遺族の希望に応じて3つの対応ができるのです。
当然、祭壇や料理などにも、豊富な選択肢がありました。
選択肢(オプション)を増やすということは、
顧客の要望に応えるということに繋がります。
価値があるものに対しては、価格が高くとも顧客は満足します。
何に価値を置くかは顧客が決めることであり、
葬儀社としては「価値がありそうなものを揃える」ことが重要になります。
一方で、充実した選択肢を顧客に提供するというこは、
業者と交渉して商品そのものを研究開発・準備するだけでなく、
商品を顧客に説明するために従業員を教育したり、メニューを準備したり…と、
色々と手間のかかる作業の連続です。
その努力を、日々重ねているから、客単価の向上につながるのでしょう。
こちらの葬儀社では、客単価が上がり、
同時に顧客満足も上がるという好循環が生まれているそうです。
事業活動の理想の1つでしょう。
一方で、近年参入が激しい葬儀社紹介業のように、
全体の価格が決まっているような形で販売される葬儀は、どうなのでしょうか。
商品を標準化して価格を明確化し、顧客の不安を払しょくすると言えば聞こえは良いですが、
そこから「顧客単価を上げる」という業者側のモチベーションは湧いてくるのでしょうか…。
今年はご挨拶に行けて、元気をもらって帰ってきました。
幸先は良さそうです。