まずカード会員である顧客層だが、推測ではエムアイカードの方が生活水準は上だろう。
そして一般に年齢層も上だと見た、つまり喪主になるか故人になるかという年齢に近い。
会員のエリア分布はイオンと違って都市部中心と予測が立つ。(地方は弱い)
確かにネームバリューがあるし、葬祭に対する顧客の要望も強いのだろう。
葬儀の際、三越や伊勢丹の返礼品を希望する顧客は業者から見て悪い客ではない。
恐らく、それなりに高い葬儀を行う確率があるのではないか。
しかし、消費者目線で見ると葬儀は単なる買い物ではないのだ。
家族との死別を考える時、死者には社会との繋がりがあり、
地域や家庭などと固有の関係性を築いているものだ。
一般の商品と決定的に違うのは、死は常に固有性を有しているということである。
だから商品のように陳列できないし、それでは違和感が漂うだけだ。
この点は、イオンも三越伊勢丹HDも変わらないと私は思うし、
ファミリーマートもSBI証券も同じだ。
しかし、違和感を取り上げ欠点をあげつらったところで何の意味があろうか。
今の世の中の動きがそうなるように求めている以上、
流通業者などの異業種が葬儀に参入するという傾向はもう止まらない。
(ヤマダ電機早く来い・・・ポイントで出来る葬儀)
葬祭業は参入し易く、それだけ有望な市場だから。
間違いなく葬儀の単価は下がるだろうけど、施行件数は圧倒的に伸びるのだ。
その葬儀の単価が下がるというタイミングで、流通業者は入ってくるが、
そこに信用という付加価値を付けてくるからやっかいである。
そして、彼らはあくまでも紹介業者である。
昨年の死亡者数が約115万だとして予測すると、
30年後の2040年には推定で約165万人が死亡するという。
最も安定した需要が見込まれるのである。
業者としても、こんな有望な業界に参入しない手はないのだから。
今、葬儀の形は変化の波にさらされている。
現代の価値観やライフスタイルが変化し「家族葬」や「直葬」というものが増えた。
葬儀の小型化・簡素化が進み、盛大な葬儀へのこだわりは薄くなりつつある。
新たな形態を模索しつつある中、過去の葬儀社の淘汰は進むだろう。
また、核家族化・少子化による親族数の減少や、
「無縁社会」の中での参列者減少などにより・・・云々というのは・・・正解だ。
お葬式(お墓)に対する意識の変化をエンディングセンターはこう言う。
「戦後の核家族第一世代が高齢期に入った必然的結果」だと。
至極当然のことを言っているようで、果たしてどうだろうか。
核家族に関して言えば、江戸時代から日本は一般的に核家族化している。
決して戦後に急速に広まったわけではないのだ。
核家族率そのものは1920年に55%とすでに過半数を占めており、
1960年代に急激に上昇したものの、1975年の約64%を頂点として
その後は徐々に低下し始めているのだ。
核家族という言葉は、日本では1963年以降に流行語となったものだ。
しかし、現代の問題点は、医療技術の発展などにより平均寿命が飛躍的に長くなり、
それに伴い夫婦二人もしくは一人暮らしの高齢者が増加したため、
または、子供の独立後の人生期間が増加したため、
「核家族」という家族形態によるデメリットが顕著になった。
学者なんぞが定義すると、どうも後出しジャンケンのような解説になる。
それなりに巧みに解説するから、油断しているとコロッと騙される。
というより、本人には葬儀社をやる意思がないからだろうか。
いずれにしても、既存の葬儀社は、早急に手を打たねばなるまい。
組織のネット化、入社時とその後の教育、社員としての歩み・・・
これからは大変だよ。