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2011年02月21日

第9回「葬儀についてのアンケート調査」を見て(工場長こと古家寛)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

先日(財)日本消費者協会より、
第9回「葬儀についてのアンケート調査」が販売されました。
概要ではなく、より詳細な報告書の方です。
およそ3年おきにアンケート調査が実施されていると思いますが、
前回とほぼ同じ形式の質問内容でした。

サンプル数が少ないゆえの数値の信頼性の問題、
それゆえ一部の高い葬儀費用によって平均値が高騰しやすい数値的な問題は、
今回も改善されていないようでした。
有効回答数が前回より少なかったことを考えると(前回314 ⇒ 今回221)、
今回の方が信頼性は低いでしょう。

という前置きをしながらも、
今回の葬儀費用の平均値を見てみると199.9万円。
ギリギリ200万円に届かない、ジャパネットのような価格になっていますが、
前回よりも平均値が下がったな…というのが第一の感想です。
ま、今回も810万円の葬儀費用が最高値で、
個人葬儀では考えにくい高額な葬儀費用が他にも葬儀が何件かありましたから、
実際は、もう少し低めの価格が実勢値なのでしょう。

こういう平均値は、年収の平均値と似ている気がします。
一部の大金持ちが平均年収をつり上げるため、
平均年収は「普通の人」の年収よりもずっと高い値になってしまいがちです。
その為、「平均年収」は「普通の人」の生活水準を推し測るには向きません。
同様に、「葬儀費用の平均」も一部の高額葬儀が葬儀費用を吊り上げるため、
「普通の人」の葬儀よりも高い値になり、
「普通の葬儀」を推し測るには向かないものになってしまします。

この種の統計は、中央値で見る方が有効だったりしますが、
とあるブログで推測した中央値が、約173.6万円だそうです。
実際はもう少し低いかな…とも思っていますが、
葬儀費用の平均に対する感想はこんなところで。

さて、数値的な統計に問題はあるかもしれませんが、
「葬儀についてのアンケート調査」の【フリー回答】は有効に活用できるので、
葬儀社の方も見ておいた方が良いと思います。
特に、「家族の葬儀を経験して困ったこと(P33)」
「葬儀の印象(P46)」「どんなところに感動したか(P48)」あたり。
あと、
「葬儀終了後の葬儀社や互助会のアフターサービスについての意見や要望(P41)」
「生前予約についての考え(P70)」あたりも、興味深いかと思います。

個人的に気になったのは、「家族の葬儀を経験して困ったこと」で、
飲食に関する回答が散見されたこと。
このアンケートを見てという訳ではないですが、
案外、不満足の方向に傾きやすいのが飲食要因で、
満足いく葬儀を施行するために基本的なことの1つかと思います。

あと、「どんなところに感動したか」に対する回答で、
「個人が偲ばれる葬儀で感動」や「弔辞で感動」等の回答が多いのは前回もそうですが、
「生い立ちの映像を見て」や「思い出の写真が飾られていて」といった、
葬儀社側の演出努力によるものが増えている印象がありました。
「葬儀終了後の葬儀社や互助会のアフターサービスについての意見や要望」でも、
葬儀社の助言やアドバイスに対する是正的な意見が目立っていましたし、
葬儀業界全体として、サービス業として、
質が向上してきているのかな…と思います。

同時に、他社に負けないために、
より企業努力が求められているとも言えますね。

ま、ざっと見ての感想です。
詳細は、実際に報告書を見てもらった方が良いでしょう。
特に、フリー回答に目を通される事をお勧め致します。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2011年02月21日 08:14

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