現在の代表世代は、海外で活躍するタレントが増えて、
個々の選手の能力が非常に上がっています。
中田や中村…と言っていた数年前から、本田や香川、長友、岡崎、長谷部…と、
新しい若い20代への世代交代が上手く進んだのではないでしょうか。
長友はアジア杯後にインテルに移籍しましたし、
若い力が次々と現われてくるのは、それだけで楽しみです。
また、今回はザッケローニ監督の采配が冴えていたようにも感じます。
選手交代を通して、試合の雰囲気がガラリと変わることが多かった。
伊野波や細貝、李など、交代した選手が決勝点を決めていたのは、
監督采配の妙とも言えるでしょう。
試合でミスや失敗をした選手も、信頼して次にチャンスを与えていたように思います。
ゴールキーパーの川島は準々決勝のカタール戦で不安定な守備を見せましたが、
準決勝、決勝と神がかったセーブを見せました。
控え選手の李は初戦の途中出場では全く動けませんでしたが、
決勝戦で殊勲の決勝ゴールをあげました。
上手に選手のモチベーションを維持管理して試合で力を発揮させるのは、
今までの監督ではあまり見られなかった能力かなと思います。
もう一つ、面白い監督だと思ったのは、
選手交代に際し選手の意見を聞いていたこと。
決勝戦で藤本から岩政に交代した時、
布陣をどうするか今野とやり取りがあったそうです。
最終的に今野の意見を取り入れ、長友を一つ上げるシステムに変更した。
それが功を奏し、決勝ゴールの長友のアシストにつながりました。
選手の意見を取り入れる点は、前任の岡田監督と対照的です。
岡田監督は、選手の意見を聞きつつも最後は腹をくくって自分で判断するタイプ。
全て最後は自分で背負って判断します。
W杯の選手起用、超守備的な布陣・戦略は、
トップダウンの判断だったからできたように思います。
ザッケローニ監督は、今回、選手の意見を取り入れながら最善の道を探った。
しかも、試合中に選手と相談していました。
どちらが良い方法という訳ではなく、まさにタイプの違いということでしょうが、
今の日本代表のサッカーは見ていてワクワクするものがあります。
勝ち負けよりも、試合内容自体が面白い。今後も楽しみです。
選手、監督、スタッフの皆様、お疲れ様でした。