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2011年02月14日

「遺影バンク」というサービス(工場長こと古家寛)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

2月1日より、㈱アスカネットで「遺影バンク」というサービスが始まりました。
参照URL:http://ieibank.com/
遺影写真は、現代の葬儀では必需品の一つ。
しかし、急遽選んだ写真で作られるからでしょうか、
解像度が低く、ピントが合ってないこともよくあります。
また、短い時間で加工しなければいけないので、
切り抜きが雑だったりもします。(特に髪)
遺影バンクは、酷い仕上がりの遺影写真で後悔するより、
事前に写真を保存して葬儀で質の高いものを提供できるようにする、
提案の一つでしょう。システムを一通りみましても、
なかなか品の良いシステムという印象を受けました。

このシステムが面白いと感じるのは、
遺影写真をすぐに提供せず、葬儀の時に提供するという仕組みかと思います。
何故、すぐに遺影写真を本人や家族に渡さないのか。
生きているのに遺影写真が届いたら気持ち悪いという配慮もあるのでしょうか。
(しかし、そんな人はそもそも事前に遺影写真を預けたりするのかな)
そこで思うのが、「遺影バンク」でやりたいことの本質が、
「葬儀の潜在顧客のネットワークづくり」ではないかということです。

葬儀に限ったことではないですが、顧客の囲い込みや会員の募集、
そのための事前相談や会員営業は、今も頻繁に行われています。
また、イオンや今後参入が予定されている三越・伊勢丹なども、
既存の店舗会員ネットワークを活用した、葬儀施行の送客とも考えられます。
葬儀の相談員というのも、規模は小さいながらも、
葬儀の潜在顧客をネットワークしているように見えます。

いわば、「葬儀のネットワークビジネス」ともいえる領域に、
大手遺影写真加工業者も踏み込もうとしている…とも考えられる動きかもしれません。
ネットワークを作ってまず思いつくのは送客ビジネスでしょうが、
アスカネット社はデジタル技術力がありますので、
よりインターネット的な活用の仕方がありそうな気がしています。

例えば、遺影写真だけでなくパネルや映像の提案を、
抱き合わせてするかもしれません。
「家系図」を書かせるようなシステムもありましたので、
それをパネルに出力したりすることもできるでしょう。
しかも、葬儀社を通さずに、遺族に直接。
メーカーが、販売会社を通さずに、顧客と接点を持とうとしている点が、
一番注目すべきことかもしれません。

個人的には、故人を検索できるような仕組みになれば興味深いですが…。
(色々と難しいのかな?)
今後とも、注目していきたいシステムの一つではあります。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2011年02月14日 08:02

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