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2011年04月13日

風評被害(工場長こと古家寛)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

現在も事態が沈静化しない原発事故による放射能汚染によって、
当該地域の様々な被害は避けられない。
特に、農業や漁業の被害は甚大である。
被害には放射能の直接的な汚染被害ももちろんあるだろうが、
より深刻なのは「風評被害」の方だろう。
一時期、栃木県産のイチゴでさえ半値近くに値崩れしていた。
頑張られている農家の方々がどれだけ保障されるのかわからないが、
値崩れや購入拒否が起こると生計が成り立たないだろう。

「風評被害」という言葉を調べてみると
「災害や事故が発生した際に、不適切な報道がなされたために、
 生産物の品質やサービスの低下を懸念して消費が減退し、
 本来は無関係であるはずの業者・従事者までが損害を受けること」
とある。
災害・事故によって直接もたらされる被害は風評被害に当たらない。
適切な情報発信が行われれば、基本的には風評被害は起こらないことになる。

しかし、今回の政府や東電の情報提供の拙さはどうだろう。
まず放射線関連の情報が発表されるタイミングが遅い。
放射能の影響予測をシミュレーションしたSPEEDI(スピーディ)の情報も、
アメリカメディアが3月23日午前に公表した後、
原子力安全委員会(経産省)が同日午後に公表した。
福島原発の汚染水を海に大量に放出する際も、4月2日の時点で、
国の基準の750万倍という極めて高い濃度放射性のヨウ素131が検出されていたのに、
その結果が公表されたのは汚染水を海に放出すると決定した後の4月5日だ。
さらに4月11日には、事故発生時に1万テラベクレルも放射性物質が放出されていたと
原子力安全委員会が発表。原発事故の深刻さを示す国際評価尺度がレベル7になった。
なぜ、このタイミングなのだろうか。緊急事態だとはいえ、
この政府の情報発表の経緯は誠実なものだろうか。

私たち国民は、放射線や放射線物質に対して詳しい知識を持っていない。
しかし身体に危険であることは知っている。どれくらい危険かも調べたりする。
それでも、インターネット等で調べる知識には限界がある。
情報源が不正確なものも多い。だから不安になる。
結果として少しでも放射線物質を避けるような行動になり、
当該地域の農産物や海産物を買わなくなる風評被害に繋がる。
それゆえ政府や東電には、できるだけ正確な知識を迅速に伝えてもらいたいと願う。

現在の政府や東電の態度は、全く安心できない。
放射線に対する不安感も消えない。
この不安感は、放射線の危険性に対する不安だけでなく、
政府から正確な情報が伝えられているのだろうか…という不安もある。
「暫定基準値を超えていない」「直ちに影響が出るレベルではない」
という言葉の意味を、もっと掘り下げて欲しい。
その不安感が今後も風評被害に繋がっていかないか心配である。
政府や東電が、頑張っていることは理解できる。
だからこそ、もっと国民を(パニックを起こさないと)信頼して、
早く正確な情報や事実を伝える姿勢を見せてほしい。

そして、「正確な情報を迅速に提供する」ということは、
自分自身にも跳ね返ってくる。
改めて、自分が正確な情報提供者になっているのか、
反省するところでもある。


それでは、19話。視聴者を飽きさせないように、話が大きく変化しますね。
話の結論が決まっていて、それに向けて計算されて書かれているなと感じます。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2011年04月13日 08:00

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