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2011年05月10日

震災の被害の大きさ(工場長こと古家寛)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

明日で、東日本大震災から2ヶ月になります。
警察庁によると、5月8日現在で、
死者と行方不明者は合わせて2万4,820人だそうです。
(死者は1万4,898人、行方不明者は9,922人)
まだ被害の全容を把握できていない自治体もあるそうなので、
今後も変動する可能性もありますが、多くの方が亡くなられたことには変わりありません。
改めて被害の大きさに心が痛みます。

今回の震災は、その規模の大きさゆえに、
私の中では「数字」が独り歩きして、収まりの悪い感じがあります。
言葉が出てこないのですが、死者行方不明者が2万4,820人と言われても、
現実感がなく、全くピンと来ないのです。

その一方で、宮城県警や岩手県警に掲載されている個別の死者情報、
亡くなられた一人ひとりのお名前や年齢を見てみると、胸が重くなります。
北野武が言っていた「一人ひとりの死が2万回あった」
という言葉がより重く実感されます。
2万4,820人という数字ではなく、○○様、○○様、○○様……と、
亡くなられた方の名前を整然と明示された方が、
私にとっては現実感のある「被害」の大きさを実感できるのだと思います。
しかし同時に、気持ちも非常に重くなるので、
とても全てを受け止められそうにないのですが…。

だから一方で、2万4,820人という数字だけで表示されることで、
精神的に重度の心痛にならず助けられているとも言えます。
現実感のない収まりの悪さ・・・例えば震災があって1ヶ月目、
4月11日の地震の時刻に黙祷を捧げましたが、
あの黙祷は「誰」を対象に捧げた黙祷なのかハッキリしない収まりの悪さ・・・
それでも黙祷をしてしまういい加減な感覚なのだけれども、
まだ自分の中で整理がつかないところでもあります。

震災から2か月が経というとして、ニュースの比重は復興へとシフトしつつあります。
効率や経済の論理で計算できる内容の方が、キャスターも話しやすいのでしょう。
しかし、人の命に関してはそういう訳にはいきません。
人の命を「効率」「経済性」「確率論」で論じてはいけないと言われますが、
ついつい「火葬に窯が幾つ必要か…」「土葬に必要な敷地は…」と、
経済的な話に逃げてしまうのも人間だと思います。

2万4,820人、少なくとも1万4,898人の方が、
今回の震災で亡くなられたと確認されています。
その被害の大きさをキチンと受けとめていきたい。
そう改めて思います。


それでは、約束の夏の第30話を。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2011年05月10日 08:00

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