生活のライフラインというか、根幹に関わるような事業は、
安定性を優先するために概して「独占化」になりがちです。
独占市場は安定はすれど競争がないので、
時間が経つにつれて必ず劣化するというのが世の常です。
他社の参入や競争を採り入れて良いようなタイミング、
技術革新や社会構造の変革が進んだなら、
速やかに自由化への政策転換をするのが本来なら良いことなのでしょう。
しかし、自由化までに構築された表に見えない利権などが絡んでくると、
今回のように大きな問題が起こらない限り、変革していくのは難しいでしょう。
また、電力のように市場が巨大なものに関しては、
ソフトバンクの孫さんのような異業種も参入しようとしています。
おそらく、表立っていませんが他にも狙っている人はいるでしょう。
まさに、電力業界は変革の時を迎えているのかもしれません。
一方で、葬祭業界も新しい血が入った方がいいのになと、
思う分野があります。その一つは、葬祭ディレクター技能審査です。
葬祭ディレクター技能審査は、厚生労働省認定の試験で、
葬祭業界では最も有名な資格試験でしょう。
全葬連、全互協も一体となって、葬祭業界全体として取り組んでおり、
その試みは業界のサービスの底上げに大きく貢献しています。
本当に素晴らしいことですし、中心となられている各先生方は、
本当に尽力されているのだと思います。
気になる点は、葬祭ディレクター技能審査の出版物関連が、
全て一社に独占的に卸されているということです。
現時点では、大きな不都合が有るわけではなく、
取り立てて騒ぐ程のものでもありません。
関係者の尽力に比べれば、些細なことでもあります。
ただ、特に毎年発売される「問題集」は、毎年誤字・脱字が目につきますし、
一社では負担が大きすぎるのではないかと心配です。
今年の問題集で言えば、特に司会1級の解答例、
解答例なのに大きなミスが2箇所はあります。
司会1級の2010年の過去問題は、フォントのサイズが小さすぎです(8pt程度?)。
この時期、お忙しいのでしょう・・・その状況は容易に想像がつきます。
葬祭関係の出版社は他にも大手が2社ありますし、
「問題集」だけでも他社の協力を仰いでも良いのではと思います。
他にも、評議委員が毎年変わり映えしていない点も気になりますし、
そもそも協会の組織的な情報があまり公開されていないのも気になります。
…個人的に気になっているところ、ということですが。
葬祭ディレクター技能審査のおかげで、
私たちのような教育補佐的な立場の人間も活かされています。
毎年、問題集や葬儀概論と睨めっこしている人間も珍しいでしょう。
全く批判的なことを言える立場ではないのですが、
そんなことが少し気になっているという、この頃です。