そういえば昨年、動物の死体遺棄事件が大きく報道されました。
ペットの火葬業者も、一部の地域を除いて許可制ではありません。
そのため、適切な管理ができない業者、
社会に逸脱した行為を行う業者が出てきてしまったということでしょう。
この事件をきっかけに「日本動物葬儀霊園教会」が発足し、
「動物葬祭ディレクター」検定試験などを行って、
ペット葬儀のサービスの底上げを図るようになりました。
法的な整備が遅れている分野であっても、
関係業者が自ら動いて自浄機能を果たす制度を作ることは、
非常に良いことだと思います。
遺体運送業務を無許可で行ったニュースに話を戻すと、
当然、国土交通相の許可を受けて遺体運送業務を行わなければなりません。
ただ東日本大震災では、一般乗用車、もしくはトラックでの
遺体運送もやむなしという国土交通省の意向もあったようです。
実際、ご遺体の多くがトラックでの運送でした。
全国霊柩自動車協会も尽力されたそうですが、
非常時では仕方ないことのように思います。
ちなみに、トラックでのご遺体の運送は違法ではありません。
(緑ナンバーが前提ですが)
「自動車運送事業」は、旅客や貨物を運送し、
その運送自体を商業的行為とする事業のことです。
ご遺体は法的には貨物扱いですので、
その車がトラックでも法的には問題ないことになります。
問題は、遺族の心理的な面でしょう。
全国霊柩自動車協会が発信している情報を見ていると、
ご遺体のトラック運送に関してクレームもあったようです。
亡くなった人の尊厳が守られたのか・・・。
法的にご遺体は「貨物」でも、
トラックと霊柩車では、大きな違いがあります。
話が飛んで恐縮ですが、
霊柩車に関連するニュースで思い出すのは、今年の3月末に、
宮型霊柩車の外装突起物基準適用の緩和の方向になったことです。
杓子定規に自動車の「危険性」を排除するだけではなく、
宮型霊柩車の「歴史」とのバランスを取ったということになります。
霊柩車には、法的には貨物でも、
「ご遺体を運ぶ」という特別な意味づけがあります。
ご遺体を運ぶ特別な役割の中で、宮型霊柩車の伝統もあるのでしょう。
法的に合法な自動車で運送することは当然ですが、
それ以上に、「ご遺体を運ぶ」という役割について、
改めて考えさせられたニュースでした。