で、些細なことなのですが、葬儀概論を読んでいて、
「遺族、会葬者で身障者の方、高齢の方がいる場合には、
案内したり、椅子を用意したり、率先して配慮します。」
と書かれていて、果たしてこれは正解なのだろうかと疑問が湧きました。
「率先して配慮する」という言葉が分かり難いのですが、
例えば、会葬者に身障者や高齢者を確認したら、
「式場にご案内いたしましょうか?」「椅子は必要ですか?」
などと声掛けをすることなのかと思います。
ユニバーサルサービス、という言葉があります。
FUNETのスキルアップ小試験でも関連問題を出すようにしていますが、
あらゆる人の立場に立って公平な情報とサービスを提供すること、
また、その心構えを持つことが、ユニバーサルサービスの基本です。
高齢者、身体に障害のある人、健常者と区別したりはしません。
全ての人に公平な情報・サービスが提供できているか、という点がポイントです。
話を戻すと、「率先して配慮する」ということが、
率先して「見守る」ということであれば理解できます。
身体障害者の方でも、特別な案内を必要としない人もいます。
高齢者の方でも、助けを必要としない人は多いはずです。
個々のお客様によって、置かれている状況もニーズも変わります。
ですので、個々のお客様が何が必要かまず見守る。
高齢者や身体障害者の方は、特に意識して見守る必要はあるでしょう。
でも、特別扱いするということではありません。
健常者と同じ公平なサービスを提供できることが重要で、
それ以上の特別扱いをするということではありません。
なので、
「遺族、会葬者で身障者の方、高齢の方がいる場合には、
案内したり、椅子を用意したり、率先して配慮します。」
というのは、少し特別扱いをしているニュアンスが感じられるかと思い、
些細なことですが、少し気になった点です。
ま、個々のお客様によって、置かれている状況は違います。
接客・接遇に、何が正解だと提示することは非常に難しいことでしょう。
テキストに起こすのも、苦慮された分野だったのではないでしょうか。
細かな応対で教科書的な指南はナンセンスかもしれませんし、
常に臨機応変な対応が求められるものだと思います。
それこそ、「○○家の○○さんのところは・・・」と、
地縁のある人を普段から気に掛けることから、
「究極のサービス業」は始まっているのだと思います。