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2011年08月26日

接遇研修会in宮城県 (加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

宮城県の葬儀団体様「新人スタッフ向け接遇研修会」に講師として伺いました。
この3月の東日本大震災で、私自身も研修中に被災して、
5日間足止めされたその場所です。
その後、葬儀社様もスタッフの皆さんも大変な日々を過ごしたご様子です。
私自身も震災のショックを受けていました。
3か月位は、立ち直れなかったように思います。
津波の映像を見るのも辛かったです。
余震が起こるたびにあの地震の揺れやその時の景色を思い出してしまいました。
決して忘れてはいけないことだとは思いますが、
次に向けて生きて行かなければいけません。

今回、前泊をさせていただいたのは、
あの地震の夜に一晩ロビーで過ごしたホテルです。
フロントの方にはその時のお礼を告げました。
そしてもう一か所、挨拶に行きたかった場所が、
その後2泊した「台ケ森温泉郷にある、山野川旅館」です。

町から離れた山の中にあって、避難した時には、
携帯もつながらなくてとても心細い思いをしました。
電気もガスも止まっていましたので、
温泉に入ることも出来ませんでしたが、同じように被災した方が多くいて、
そういう意味では安心して過ごすことが出来ました。
今回その旅館に連れて行ってもらいご挨拶をしました。
なつかしい空間でした。しばしその時の話で盛り上がって、
今度は必ず温泉に入りに来ることを約束して山野川旅館を後にしました。

さて、研修会のお話です。
翌日は、新人スタッフが多く集まった接遇研修会でした。
基本接遇の内容でお送りしましたが、今年から接遇トレーニングの部分は、
サークル(円)になって行っています。
教室形式では無いので受講生の全身が見えます。
立ったり、座ったり、歩いたり、向きあったり、言葉がけの練習をしたり・・・
どんな形にもなれるので、この形は最高です。(・・・居眠りも出来ません)
私もワイヤレスマイクをつけて、縦横無尽に歩き回ります。
円の中にコンパクトな式場を作って、そこでロールプレイングをします。
みんなが見ていますので、スタッフは緊張しますが、
「人に見られること」に慣れる為にも、この形はとてもグッドです。

研修会最後の質問コーナーで、一人の新人さんが、
「遺体が無い葬儀の依頼が来る。その時に、電話の向こうのお客様に
何て言ってあげたらいいのかが分からなくて・・・」
というようなことをおっしゃいました。
被災した方は絶対に辛いです。
でもその方々を支えている周りの人たちも、
相当辛いということをこの時改めて知りました。
私は、「何か特別なことを言おうと、頑張ることはありません。そのお客様が
言っていることを誠実に聴いてあげること、お客様が心配に思っていること
に対して、きちんと向き合ってあげること、そして、葬儀社としてしなけれ
ばいけないことを一生懸命にすることしか無いと思います」と、返しました。

この日は、接遇研修会がテーマでしたので、
その他のスタッフの思いまで聞いてあげることは出来ませんでしたが、
次に機会があれば、心の中にしまい込まれている辛い気持ちがあれば、
聞きだしてあげたいと思いました。
皆さん十分過ぎるくらいに頑張っています。
だから「頑張って」とは言いませんでした。
私はこれからもスタッフの皆さんを様々な形で支え続けたいと思っています。

重い気持ちで終了した接遇研修会でしたが、
帰りの新幹線は、初めて乗る東北新幹線「はやて号」でした。
乗り心地は、「グ~ グ グ~ グ~ グ~」で、
静かな滑り出し、静かな音・・・それは快適でした。
東京駅に着いたらすぐにみんなが集まって撮影会さながらです。
私も一緒に「パチリ!」しちゃいました。

次回は、10月に伺います。
大変お疲れ様でございました。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2011年08月26日 08:16

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