高齢者の孤独死が増えているということは、
看取られずに亡くなる高齢者が増加しているということです。
核家族化が進み、そういう社会構造に変化しているとはいえ、
寂しい感じがします。
また、孤独死の中でも、家族などの引き取り手がいない場合は、
行旅死亡人と同じ扱いになります。
この場合、家族に看取られないだけでなく、家族の誰も葬儀を施行せず、
市区町村(が委託した葬儀社)が火葬・埋葬をおこなうことになります。
死の瞬間だけでなく、葬儀の際も孤独であるケースは、今後も増えていく可能性があります。
2010年の調査で、生涯未婚率(50歳時の未婚率)は、
男性が19.4%、女性が9.8%となっています。
特に男性の生涯未婚率は増加していて、
1970年で1%台だった生涯未婚率は、90年代で5%台になり、
2005年で16%、2010年で19.4%になっています。
参照:図録未婚率の推移
参照:高齢化と単身化が都市を襲う「2020/30年問題」
尚、2010年の「厚生労働白書」では、
2030年時点での男性における生涯未婚率が29.5%になる懸念を表明しています。
独身男性でも、社縁や地縁が根強い独身男性なら年をとっても安心でしょう。
しかし、退職して、身体も不自由になり、年金生活で出不精になって、
社縁も地縁も薄れて無くなってしまうような高齢者は、
孤独死、また、孤独な葬儀の予備軍になります。
数値として表面化し、社会問題化しないと中々手が打たれないのでしょうが、
近い将来、孤独な葬儀のケースが増える日が近いと思います。
ちなみに、韓国でも孤独死、孤独葬のケースは増えているそうです。
参照:身寄りなき遺体の「直葬」、日本に続き韓国でも増加
独身男性(独身女性)が孤独死し、行政による葬儀(直葬)が増加する未来は、
ちょうど私たちが死んでゆく時期に表面化しそうです。
孤独死しても行政に直葬されるのを避けるため、
自己の死後の葬儀や埋葬に関する事務について弁護士や司法書士に代理権を与える、
「死後事務委任契約」を交わすケースも増えるかもしれません。