さて、ラーメン自体のことではないのですが、
以前からラーメン店に寄った時に感じる接客の話です。
私もラーメンは好きの方なのでラーメン店には時折行くのですが、
ラーメン店の接客には全く期待していません。
男臭いイメージがありますし、
その店の味のラーメンを食べさせてもらえれば、それで満足なのです。
ところが、女性客の取り込みを狙ってか、
最近では接客をしっかりやろうとするラーメン店が増えているように思います。
特に、ラーメンのフランチャイズが進んでいるチェーン店では、
店舗サービスの標準化を図ってマニュアルも整備されているのでしょう。
・・・残念ながら、洗練された接客は受けたことは、ほとんど無いのですが。
言葉遣いは、悪くはないのです。
「いらっしゃいませ。本日はご来店ありがとうございます。
ご注文をお伺いしてもよろしいでしょうか。」
全く気持ちのない、言わされている感のある言葉に聞こえますが、
多くの客にとって、差し障りのない挨拶なのでしょう。
「ご注文は、醤油ラーメンと煮卵で、よろしかったでしょうか。」
「ご注文の、醤油ラーメンと煮卵でございます。
以上で、ご注文のお品はお揃いでしょうか。」
ファミレスなどでも良く聞く、最後の丁寧語が奇妙に感じる日本語ですが、
そこに不快感を憶える客も特にいないのでしょう。
私も特に不快には思いません。
言葉は、悪くないのです。
しかし、言葉は綺麗でも行動・気遣いが伴わない接客が多いのです。
よくあるのは、客の水が無くなっても注ごうとしないお店。
昔は注いでくれる店も多かったのですけど、最近では皆無です。
一般的なレストランでは、水や飲み物が無くなったら、
「いかがですか?」と必ずお伺いを立ててきます。
なぜなら、レストランの支給は店内を静かに回って、
客のグラスが空なのが見えて、そのことに気付くからです。
ラーメン店の支給も、テーブルを見渡せる店舗では、
客のグラスが空なことは分かるはずですけれども、
不思議なことに素通りしてしまうんですね。
水は一例にすぎませんが、ちょっとした気遣いが、
最近の小洒落たラーメン店には足りない気がします。
一方で、地元の家族でやっているようなラーメン店では、
男一人で入るとラーメンの他に小料理が一品ついてきたりします。
また、おそらく頭の中で客の顔を憶えていて、
個々の客に合った接客を、自然としているように思います。
ちょっとした気遣いがあると、客も「良い店だな」と思えるわけです。
規模は小さくとも生き残っている店舗は多々ありますが、
小さな気遣いがファンを生んでいるのだと思います。
マニュアルが必要ないと言っているのではありません。
むしろ、細かな気遣い、気配りこそ蓄積して、
マニュアル化すべきなのでは?と思うのです。
言葉遣いよりも、気遣いの方が重要ではないでしょうか。
・・・こういうことを書くと、自分はどうなんだと、
いつも自分に跳ね返ってくるのですけどね。