また、スイスの番組ですが、
安楽死の様子をドキュメントしたテレビ番組がありました。
(※ 死の瞬間が記録されていますので、念のため閲覧にはご注意を。)
こうも苦しくなく、死を迎えられるのかのように見せられると、
積極的安楽死が違法である日本でも、悲痛な状況にある末期患者の方は、
安楽死を望む方向に気持ちも揺らぐかもしれません・・・。
実際にスイスへの「安楽死旅行」というのもあるそうで、
スイスでは過去10年間に、1000人以上の安楽死の手助けをしてきたそうです。
日本では、積極的安楽死は基本的には認められていません。
消極的安楽死(延命処置の停止)は、いくつかの条件下で認められます。
その条件は、1962年に病気で苦しんでいた父親を息子が毒殺した事件の、
名古屋高等裁判所の山内判決が基になっています。
その判決の中で「安楽死のための6条件」というものが出されました。
(1)不治の病で、末期にある。
(2)肉体的苦痛が耐え難いものである。
(3)苦痛緩和の目的でなされるもので、他に代替手段が無い。
(4)本人の明確な意思である。
(5)医師の手による。
(6)安楽死の手段が倫理的に容認される(論理的に妥当)ものである。
現在、「尊厳死」と言われるものも、この消極的安楽死の条件に則った形で、
整備されていると考えられるでしょう。
近年、脳死や臓器移植の法案が改正されていく中で、
日本でも死に対する考え方が「近代化」「国際化」しつつあるように感じます。
態々スイスに行って安楽死を希望する人がいる世の中。
積極的安楽死に対する考え方も、変わってくるかもしれません。