流通管理のメリットとしては、
・産地情報に対して、消費者に安心感を与える
・食品事故が起きた時、対策(原因究明・製品回収など)を取りやすい
等が考えられます。
特に後者は、BSE(狂牛病)問題時にイギリスで425万頭の牛が、
狂牛病の感染可能性のあるとして全頭殺処分されました。
産地追跡ができていれば、被害も最小限に済んだと考えられています。
この時の教訓を活かして、日本でも「トレーサビリティ」の考えが
浸透するようになりました。
そして、冒頭の写真。
これは、ある葬儀会館の食事室の壁に貼られていたものです。
調べてみると、「米トレーサビリティ法」が施行されて、
平成23年7月1日から、該当する事業者を対象に、
産地情報の伝達が義務付けられていたそうです。
・・・驚きました(正直、知りませんでした)。
日本では主食の米の流通には気を遣っているようですね。
農林水産省のホームページも、えらく丁寧に解説されていました。
・お米の流通に関する制度
・その他の事業者のみなさまへ
※ Q&Aより、一部抜粋
(問)結婚披露宴や大規模なパーティの場合の産地情報伝達は
どのようにしたらよいのですか。
(答)結婚披露宴やパーティ等で米飯類を提供する場合の米穀事業者には、
(1)契約し代金を支払う者、(2)実際に食事をする者
のいずれかに対し産地情報の伝達を行う必要があります。
・産地情報の伝達の仕方
※ 図による産地情報の伝達手段の解説があります
上記のページを読む限り、壁に産地情報を張り出さなくても、
打ち合わせや見積もり時に産地情報を伝達すれば問題ないようです。
違反しても最初は業務改善勧告があり、直ちに罰則という訳ではないようですが、
余裕のある内に対応しておいた方が良さそうです。
葬祭業界に関連する商品は幅く、扱う商品の種類も多様です。
商機も多いのですが、一方でそれらに対する制度や法に対して、
注意を払っておく必要性を改めて感じました。