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2012年03月26日

第44回葬祭セレモニー司会術【ベーシック講座】終了2(井手一男)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

さてセミナーの内容。
今回もテキストはマイナーチェンジした。
毎年、毎回、少しずつ手を加えているので、
5年前のテキストは確実に半分くらい変わっている。
毎回これで完璧だ、なんて思うけど…いっこうに終わりがない。
でもテキストを削除することの厳しさ、勇気がいるんだよなあ。
何かが増えれば、何かを減らすしかない。
だって全体の時間は原則変わらないからね。
昔から思うことだが、もしもペイするならスクーリングでじっくり教えたい。
自信あるんだけど。

参加者は、未経験者から2年程の業務経験者が殆どを占める。
そのなかで、ベーシック講座なのに、
某役所から参加された方はキャリア30年。
30年!? 
相当凄いキャリア…しかし、これだけベテランだと癖が酷いだろう。
もう直そうとしても無理だろうな、と思っていたら…いやあ、巧い!
自分の声のコントロールが出来ているから、どうにでも出来る。
彼が葬儀社の方ではなく、役所の方だったのが幸いしたと思う。
普通の喋り方がベースにあるのだ。
役所(行政)の人が何故?と思われるかもしれませんが、
全国の役所の中には、様々な形で葬儀を扱っている所もあります。

今回初の試みとして、FUNETのホームページ上で事前に発声練習をお願いしたら、
今までの初心者と比較して数段良くなりました。
やれば出来るのだ…やらなきゃ出来ない、当たり前田のクラッカー(古っ!)

フィジカルの発声練習は、一度やったからって巧くなるわけではない。
しかし、正しいやり方を一度は教えないと上達の速度が違ってくる。
誤った手法でやっても葬儀司会と例えば舞台は違うから、
目的と方法論はしっかりと教える必要がある。
簡単に言うと、腹式呼吸にこだわる必要なし!
その時に、<書き言葉>と<話し言葉>のルールの違いを伝えて、
2次元の世界に表現された文字と、その文字を言葉として話す時の差はクリアにしたい。
そういうモノの見方・考え方を知ることで、何かが掘り起こされることもある。
更には、発声練習と一口に言っても、そのやり方は様々にある。
葬儀司会にとって効率的なやり方とは…
葬儀司会にとって即効性のあるやり方とは…
これは新人にとって役に立つはずだ。

テクニックは、マジックの種明かしみたいだ。
テクニックの名称を覚え、
その効果を体験してもらい、
そのやり方を真似てもらう。
<真似る→まねぶ→学ぶ>というのは、
司会に限らず表現の勉強ではよく使われる手法である。
但し、注意事項があって、それは表現のジャンルによって多少真似方が違う。
葬儀司会の注意事項だけを知っていればよい。
テクニックは頭で理解しても不十分、それを身体に叩き込まなければならない。
そこには個人差、努力のレベルというものが付きまとう。

セオリーはベーシック講座では多少。
とはいえ、文章の切り方、切った時のルール、二つの文言の表現方法、
並列の間のルール、余韻を残す方法、文末のパターンなどは学んでもらう。
表現のディテイルまでは時間がないが、核になる部分はきっちり押さえている。
更に、講座終了後もテキストCDを自宅へ。
帰ってからが本当の勝負、いつまでも講座は続くのだ。

今回も改めて思ったのは、初心者は最初が肝心ということ。
全くの素の状態で参加していただくのがいいのかもしれない。
16年続けていてそう思うのだから、間違いないだろう。
入社したての可能性を、もぎ取ることなく成長させて欲しいと切に願う。

巧い司会は、聞きやすい司会である。
ただ、それだけだ。

大変お疲れ様でございました。


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投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2012年03月26日 08:30

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